こんにちは。ノブです。
北海道日高地方の馬産地を巡る自転車旅に出かけてきました。今回は新冠町にあるノーザンレイクを訪問し牧場見学。今年の8月17日に亡くなったタイキシャトルへの献花と引退功労馬として繋養されているメイショウドトウに会ってきました。
馬産地には守るべきマナーがあります。牧場見学や馬と接する場合の注意点はこちらにまとめていますので、まずはこちらを一読ください。
本記事に掲載する写真・動画は、NPO法人引退馬協会のFP会員として撮影したものであり、NPO法人引退馬協会のガイドラインに則ったものです。
ノーザンレイクとは?
藤沢和雄厩舎などで厩務員をしていた川越靖幸さんが代表となり、2020年の7月半ばにかつて生産牧場だった施設を借りる形で開場。競馬ライターの佐々木さんと2人で運営されており、現在はキリシマノホシら5頭の引退馬を管理しています。
お二人は競走馬のその後についてスポットを当てたドキュメンタリー映画『今日もどこかで馬は生まれる』にも出演しています。引退馬にどう関わっているのかが理解できますので、牧場見学の前に視聴しておくことをおすすめします。
https://tv.netkeiba.com/watch/?id=6018&rf=kslp
ノーザンレイクの見学方法
見学可能な時期や見学方法は『競走馬のふるさと案内所』に記載されています。注意事項も書かれていますので、訪問する際はこちらを確認するようにしてください。
https://uma-furusato.com/search_farm/105319.html
ノーザンレイクへ訪問
訪問前に道の駅サラブレッドロード新冠へ。ここには生花店があり、タイキシャトルの祭壇に献花するお花を包んでもらいにきました。尾花栗毛のタイキシャトルをイメージして黄色を基調に選んでもらい素敵なフラワーアレンジメントになりました。
訪れたのは3連休の2022年10月9日。砂利道が続いた先にノーザンレイクの青い看板を見つけました。見学時間ぴったりに伺うと佐々木さんが出迎えてくれ、他の会員さん数名と一緒に見学させてもらうことになりました。
タイキシャトル号の献花へ
まずはタイキシャトルの馬房へ案内してもらいました。
タイキシャトルはアメリカのタイキファームで生産されたマル外です。短距離マイル路線で活躍し、マイルチャンピオンシップ(G1)連覇、フランスのジャック・ル・マロワ賞(G1)を制覇など、G1を5勝。短距離馬で初めて年度代表馬に選ばれました。また外国産馬として初めてJRA顕彰馬に選出され殿堂入りしている他、フランスの年度代表馬顕彰で最優秀古馬にも選出されています。
引退後は種牡馬となり、メイショウボーラーら多くの重賞馬を輩出。種牡馬引退後はNPO法人引退馬協会に譲渡されて功労馬になり、ヴェルサイユリゾートファームを経てノーザンレイクへ。イタズラ好きで”シャトじいじ”の相性で親しまれていましたが、2022年8月17日に他界。前日の夜も元気な姿を見せていましたが、老衰による心不全により、眠りながら穏やかな最期を迎えました。
生年月日 | 1994年3月23日 |
戦績 | 13戦11勝(うちG1を5勝) |
主な勝ち鞍 | 1997年マイルCS(G1) |
獲得賞金 | 6億1,548万円 |
性別 | 牡 |
毛色 | 尾花栗毛 |
名前の由来 | 冠名+スペースシャトル |
父 | Devil’s Bag |
母 | ウェルシュマフィン |
母父 | Caerleon |
こちらがシャトルの馬房に設置されている献花台です。亡くなって1ヶ月が経過しても、花が途絶えることはありませんでした。
9月後半に1週間ほど馬産地旅をしていたにもかかわらず、10月に再び北海道行きを決めた一番の理由が、タイキシャトルの馬房へ直接献花することでした。シャトルの訃報を聞いた時は正直信じられない気持ちでいっぱいで、東京競馬場で献花もしてきましたが、自分にとってシャトルがとても大きな存在になっているようでした。
それもきっと、佐々木さんが毎日のようにノーザンレイクのことをTwitterなどで報告してくれて、まるでシャトじいじたちと暮らしているような疑似体験をさせて貰えていたからかもしれません。新型コロナで一時中断していた見学が再開され献花ができると聞いた時、迷わず牧場見学の打診をしていました。
泣かないと心に決めて訪問したのですが、この献花台の前にするとシャトルがどれだけ愛されていたかが伝わってきて涙が溢れてきました。これまで東京競馬場、桜舞馬公園の墓碑で手を合わせてきましたが、ようやく本当にお別れを言えた気がします。ありがとうタイキシャトル。どうか安らかに。
”ドットさん”ことメイショウドトウ
続いては、”ドットさん”ことメイショウドトウに会いに行きます。
アイルランドで生産され日本に持ち込まれたマル外で、主な勝ち鞍は2001年の宝塚記念(G1)。G1が1勝に留まったのは同時期にテイエムオペラオーがいたためで、2着に甘んじること5回。6度目の正直でオペラオーを下して念願のG1馬となりました。
G1を1勝のみですが、高い連対率を誇り獲得賞金は9億円越え。元々の取引価格が約500万円と言われているのだから、もの凄い孝行息子ですね。
現在は功労馬としてNPO法人引退馬協会に譲渡され、彼もまたヴェルサイユリゾートファームを経てノーザンレイクで余生を送っています。ドットさんもシャトルと同じくらい人気者で、ノーザンレイクさんの投稿するSNSでは愛くるしい姿を見せてくれています。
生年月日 | 1996年3月25日 |
戦績 | 27戦10勝(うちG1を1勝) |
主な勝ち鞍 | 2001年宝塚記念(G1) |
獲得賞金 | 9億2,133万円 |
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
名前の由来 | 冠名+怒涛 |
父 | Bigstone |
母 | プリンセスリーマ |
母父 | Affirmed |
ドットさんはちょうど放牧中だったため、放牧地へと移動しました。
いました。ドットさんです。額の大流星で遠くからでもすぐに分かります。
鼻のブニブニ具合が最高にチャーミングです。
記念撮影をさせてもらいましたが、ドットさんがめちゃくちゃちょっかいをかけてきます。
しかも、めちゃくちゃ甘噛みしてきます。手に何も持っていないのに積極的すぎて少し痛いくらいでした。
結果、ドットさんから草汁付きの唾液(ドット汁)を沢山もらいました。旅を終えてから洗濯しましたが、まあ綺麗には落ちませんでしたね。ドットさんからのプレゼントだと思うことにします(笑)
佐々木さんから人参をいただき触れ合うこともできました。ドットさんが人参を頬張る姿は癒やしのひとときで、別れ難くなります。
牧場猫メトさん!
また、牧場猫のメトさんとも会えました。佐々木さんが抱えて運んできましたが、一般的な猫より一回り大きく貫禄があります。
早速、メトさん撮影会の開始です。自分の役割が分かっているのか、色々なポーズをしてくれます。
野良猫としてふらっとやってきて住み着いたメトさんですが、人慣れし過ぎです。
本当に見ていて飽きないメトさん。
極めつけはこのポーズ。サービス精神旺盛な猫さんでした。
乗ってきた自転車の車検もしてもらいました。ヨシっ。
ノーザンレイクグッズと募金箱
見学を終えて厩舎に戻り、ノーザンレイクのオリジナルグッズを購入。入り口の看板もそうですが、本当に良いデザインですよね。
ノーザンレイク有志の会による募金箱も設置されています。微力ですが寄付をしてきました。
佐々木さんに色々とお話を聞く機会をいただきましたが、やはり養老牧場を軌道に乗せるのは大変なようです。
そのため、グッズを製作するなど利益を得る仕組みを色々と施策しています。北海道まで遠くて行けないけど何か手助けをしたいという方はこちらをご確認ください。
支援方法①:寄付
現在、ノーザンレイクさんでは寄付を受け付けています。引退馬問題を考えるサイト『Loveuma.(ラヴーマ)』で連載されている『ノーザンレイクダイアリー』に寄付の方法が書かれています。
https://www.loveuma.jp/post/nld_221227#viewer-ddhf7
支援方法②:ノーザンレイク公認オンラインショップ
有志によるノーザンレイク公認オンラインショップも開設されており、収益はすべてノーザンレイクの運営費となりますので、気になる方はこちらもチェックです。
https://northern374.base.shop/
支援方法③:生牧草を送る
馬を生かすために欠かすことのできないのが食事。生牧草のクラウドギフティングサービス”生牧草バンク”にメイショウドトウが登録されています。
支援方法④:Loveuma.(ラヴーマ)オンラインショップ
『Loveuma.(ラヴーマ)』では、ノーザンレイクで繋養されている芦毛ちゃんとメトが登場するグッズも販売されています。こちらも収益が引退馬支援になります。
まとめ
シャトじいじとお別れをすることができましたし、ドットさんの人懐っこさに癒やされるひとときでした。お忙しい中、ご対応いただき本当にありがとうございました。
ノーザンレイクさんでは、引退馬協会の会員向け見学の他に一般向けの見学も受け付けています。予約開始日時はノーザンレイク公式TwitterアカウントやFacebookで告知されますので、気になる方はフォローしてみてはいかがでしょうか。
爪研ぎチビたんからお知らせです!
— Northern Lake (@NLstaff) December 26, 2022
本日9時から来年1月の見学予約を開始いたします。
見学日は以下の通りです。
8日(日)、14日(土)、21日(土)、28日(土)
見学時間は12時〜12時45分。
見学申込みは3日前まで。
見学は3組で、1組3名様。
ご予約は競走馬のふるさと日高案内所 0146-43-2121 pic.twitter.com/CQj0Jdv2Ie
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