GENTOS RX-186RSはブルベやオーバーナイトに耐える自転車ライトになり得るか?

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こんにちは。ノブです。

GENTOS(ジェントス)は1978年創業の日本の懐中電灯メーカーです。販売するフラッシュライトの中に閃シリーズがありますが、ブルベライダーがこぞって愛用していたこともあり、自転車乗りなら一度は耳にしたことのあるメーカーではないでしょうか。
最近はキャットアイが手掛けるVOLTシリーズの性能が飛躍的に向上したこともあって、ジェントスの名前が下火になってきている気がしますが、そこは天下のジェントスです。REXEEDシリーズという、VOLTシリーズに匹敵する性能のライトを新たに発売しましたので、試してみたいと思います。

目次

GENTOS RX-186RSのスペック紹介

スペック・特徴

使用光源:高輝度チップタイプ白色LED×1個
明るさ(約):800ルーメン(Maxモード時)/ 400ルーメン(Highモード時)/ 180ルーメン(Midモード時)/ 50ルーメン(Ecoモード時)
輝度(約):9250カンデラ(Maxモード時)/ 4740カンデラ(Highモード時)/ 2020カンデラ(Midモード時)/ 540カンデラ(Ecoモード時)
使用電池:専用リチウムイオン充電池 3.7V 2,800mAh
充電時間(約):4時間
電池寿命:充放電 約300回
点灯時間(約):7時間(Maxモード時)/ 12時間(Highモード時)/ 24時間(Midモード時)/ 80時間(Ecoモード時)
照射特性:フォーカスコントロール
照射距離(約):192m(最大時)
保護等級:耐塵・耐水仕様(IP66準拠)
落下耐久:2m落下耐久
本体サイズ(約):φ29.5×141.8mm
本体質量(約):177g(電池含む)
付属品:ストラップ、Micro USBケーブル(50cm)、専用充電池
オプションパーツ(別売):専用充電池(型番:GA-08、JAN:4950654 037005)

出典ジェントス公式サイトより

GENTOS RX-186RSを選んだ理由

まずは、こちらをご覧ください。ロングライド向けライトとして人気のキャットアイVOLTシリーズとの比較表です。

VOLT800VOLT1700GENTOS RX-186RS
ハイ2時間800lm2時間1700lm7時間800lm
ミドル3.5時間400lm5時間500lm12時間400lm
ロー8時間200lm15時間200lm24時間180lm
デイタイムハイパーコンスタント7.5時間12時間×
エコモード××80時間50lm
点滅100時間150時間×
フォーカスコントロール不可不可
重さ(バッテリ込み)140g256.3g177g
バッテリー交換方法専用カートリッジ専用カートリッジ18650型リチウムイオン電池
本体充電マイクロUSBマイクロUSBマイクロUSB
バッテリー容量3400mAh6800mAh2800mAh
自転車用ブラケット付属付属なし
本体サイズ116 x 31.2 x 43.2 mm119.3 x 56.0 x 47.3 mmφ29.5×141.8mm
保護等級雨中の使用に耐えられる程度の防水性能 雨中の使用に耐えられる程度の防水性能耐塵・耐水仕様(IP66準拠)
落下耐久記載なし記載なし2m落下耐久
照射距離記載なし記載なし192m(最大時)

注目ポイント1 夜間走行に必要な光量を長時間維持できる

VOLTシリーズは、短時間ならどのモードも夜間走行可能ですが、オーバーナイトに向いているモードはローモードのみです。対してGENTOS RX-186RSは、ミドルとローモードの2つが利用できそうです。特にミドルモードの400lmで12時間点灯は驚異的で、安心して夜間走行が可能と言える光量ではないでしょうか。

注目ポイント2 容易なバッテリー交換

GENTOS RX-186RSは18650型のリチウムイオン電池を使用しています。これはスティック系のモバイルバッテリーなどに使われていたりする標準規格です。
VOLTシリーズの専用カートリッジのようにGENTOS純正の18650型リチウムイオン電池も別売りされており、電池を入れ替える感覚で容易に交換が可能です。

注目ポイント3 防塵・防水・落下耐久値が明確

GENTOSの販売するRX-186RSは、耐塵・耐水仕様がIP66準拠(粉塵が中に入らず、あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない)。現実に置き換えると、強風の砂浜の海岸線沿いや土砂降りの雨の中を走っても問題がないレベルでしょうか。さらにライト本体は2m上からの落下でも壊れない耐久性があり、うっかり自転車から落ちたくらいでは壊れる心配がありません。

インプレ・フォトギャラリー

では実際の商品を見てみましょう。まずはパッケージ。

裏面は商品説明ですね。やはり光量と点灯時間に目が行きます。

ケースから取り出すと、本体と取扱説明書。それにマイクロUSBケーブル、ストラップが付属していました。

手に取ってみた印象は少し長い。VOLTシリーズが11㎝台なので、それよりも2㎝近く長くなっています。ただ、VOLT1700のようなずんぐりむっくりではなくスマート。持った感じ重さはそれほど感じません。

中を開けてみるとGENTOS純正の18650型リチウムイオン電池が1つ。

重さは177g。公式の情報とドンピシャです。

ちなみに、リチウムイオン電池は48gありました。

正面のライト部分です。たった2800mAhのバッテリーで長時間点灯を実現しているのだから、このLEDとその制御部分の技術は驚異的です。

反対側のお尻にスイッチがあります。クリック感があり、固すぎず柔らかすぎず押しやすいです。

付属のストラップはお尻部分のスリットに取り付けることができました。

さらにお尻部分を引き出すとUSB端子が出てきて、ここから充電可能です。ただし、点灯中の充電はできない仕様のようです。

ライトの明るさチェック

まずは無灯状態です。近くの公園で撮影しましたが、iPhoneのカメラが街灯の光を拾ってしまって無灯状態でも明るく写ってしまいました。実際はもう少し暗いです。

800lmで点灯してみると、明るくてギラギラ。地面の状態をかなり詳細に把握することができました。

400lmでも十分過ぎるほどの明るさで、これなら真っ暗な道でも安全に走行することが可能ですね。

次に180lmです。800lmや400lmが明るすぎるので暗く感じますが、十分に地面を視認することができました。ただ、400lm比べると心もとないので、郊外の真っ暗な道なら優先的に400lmを使いたいと思いました。

50lmは点けているのかどうか怪しいくらいです。夜間走行に使うことはないでしょうね。

動画を撮ってみました。

連続照射時間のチェック

やはり気になる連続点灯時間。公称時間は、ぶっちゃけ盛りすぎでは?と思うくらい長時間です。いきなり実戦投入するのはちょっと怖い。
そこで、フル充電後に400lmで点けっぱなしにして、開始直後からどのような変化があるのか確かめてみました。

検証方法

検証場所は暗室として確保できる浴室で、壁からの距離は50cmで測定しました。また、自転車のフロントライトとして使うことを想定し、RX-186RSのフォーカスは全体を照らせるワイドにしています。専門家ではない人間の検証なので、出てきた結果は参考程度でお願いします。

また、測定に使ったのは照度計はこちらです。

検証結果

まず先に、検証結果をグラフで示します。縦軸が光の明るさで単位はルクス。横軸が時間で15時間まで計測しています。

測定直後に約1481lxあった光量は開始1時間で一気に441lxまで減少。そこからは12時間までゆっくりと下降し226lxまで落ちました。
念のため12時間以降も測定した結果、ゆっくりと落ちるのは14時間までで、15時間を経過するとガクッと光量が下がってしまうようです。

以下は、減衰の様子を写真で撮影したものです。

開始直後

まずは開始直後の400lmの状態です。ライトの横にiPadを置いてストップウォッチとして時間を計測することにしました。

また、メジャーを吊して光の円の大きさを測っておきます。初期状態で74cmでした。この円が小さくなっていくのかチェックしていきます。

2時間経過

とりあえず、2時間後。光に変化はないように見えます。

円の大きさも変わらず。まあ2時間くらいなら持って当然ですね。

5時間経過

さらに5時間。照度計では開始1時間後に比べて100lxほど落ちているようですが、ぱっと見では変わりがないように見えます。

光の円に変化はなし。壁から50cmという近さのせいかもしれませんが、目で見る範囲ではそこまでの変化を感じられないようです。

10時間経過

さらに10時間が経過しました。5時間の時点からさらに100lxほど落ちているはずですが、見た限りでは変わりがないような。

円の大きさも変化なし。正直、2800mAhのバッテリなので、この辺で弱まると思っていました。

12時間経過

そして、公称の12時間が経過しました。照度計での変化は開始1時間後に比べて半分ほどに落ちているはずですが、目視では特に大きな変化がないように見えました。

円の大きさも74cmから変化なし。想定では時間が経過するにつれて円の大きさが小さくなると思っていましたが、どうやらそうでもない様子。こうなると円周部も照度計で測っておけばよかったです。

ブルベに使えるかの考察

光量の減衰について

正直なところ、複数メーカーのライトを同条件で比較していないので、例えば今回測定した結果がキャットアイのVOLTシリーズとどう違うのか、といった視点での言及はできません。
とりあえず、使ってみた感想を述べていきたいと思います。

これまでナイトライドでHIGHモードを何度か運用しましたが、充電が満タン状態から1時間経過しても明るさがぐっと落ちたと体感したことはありません。その後、ライトの明るさを何度か切り替えて運用してみたところ、自転車のフロントライトとして運用するなら、400lmと180lmの2モードが適当と感じ、視認性の面では400lmの方が地面の変化を詳細に把握できる分、安心感がありました。

電池切れした時の調達について

RX-186RSは18650型リチウムイオン電池を使用しています。この電池はコンビニやスーパーなどで取り扱っていないことが多く、万が一バッテリー切れを起こしたとき、途中で調達することが困難(CR123電池を2本使う代用方法もあるようですが未確認)です。その点では、乾電池式ライトの閃シリーズのリスク対応能力には適いません。
しかし、最近はキャットアイのVOLTシリーズがシェアを伸ばしてきていることから、予備のバッテリーカートリッジを用意すれば問題ない、と考えているブルベライダーも多くなってきているようです。
RX-186RSの運用も同様で、例えば1,200kmブルベを400lmで運用する場合、18650型リチウムイオン電池の予備を3~4本持っていれば連日のオーバーナイトを走りきることができます。仮に予備電池がなくなったとしても、2灯体制なら片方を点灯しつつ、もう片方を別途モバイルバッテリーで充電することができるので、運用手順さえ間違わなければそこまで神経質になる必要はないかと思います。

冬期低温時の運用について

こちらはリチウムイオン電池の性質によるもので、リチウムイオン電池は極端な低温環境だと放電しやすい性質があります。

http://kenkou888.com/category18/entry285.html

そのため、冬の時期のブルベでは期待する点灯時間を実現できない可能性がでてきます。しかし、それはRX-186RSに限ったことではなく、スマホをはじめとしたリチウムイオン電池を使う機器すべてに当てはまりますので、これは運用レベルでカバーすべき問題でしょう。

その他、気になった点

RX-186RSの機能であるインスタントオフスイッチ(点灯後、一定時間経過後にスイッチを押すと、どのモードからでも一回の操作で消灯できる)の運用について気になりました。
例えば、400lmでしばらく運用してから180lmに切り替えようと思ってスイッチを押すと消えてしまうので、いきなり真っ暗、という状態に陥る可能性があります。スイッチを押せば再び800lmで点灯するのでそこまで心配する必要はないですが、把握していないと焦るかもしれません。

おわりに

ここまでいくつかの視点からチェックしてきましたが、点灯時間や目視での光量の面では、ナイトライドで実際に使っても問題なく、運用面でも取り立てた欠点も見られないため、ブルベにも耐えうる性能を持っていると推測されます。このRX-186RSをこれまでの閃シリーズに代わる新しいフラッシュライトとして候補に入れても良いのではないでしょうか。

また、同等の性能でUSB給電が可能なRX-086PSを候補にいれても良いかもしれません。

実際に使って走ったライド

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コメント

コメント一覧 (3件)

  •  連続照射をしていると暗くなるって記述があったりするので、実際にナイトライドでの使用感を追加してもらいたいです。
    熱持つと性能が低下するとかすると、自転車での連続利用には向かないと疑ってます。
    自転車での実走レビューを待っています。

    • ご質問ありがとうございます。
      対応するGENTOS純正の18650型リチウムイオン電池のみで、例えば他のメーカーの18650型リチウムイオン電池だと若干隙間ができたりするため通電しません。
      間に通電する何かを挟めばいけるかもしれませんが、そこまでは試していないです。

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