こんにちは。ノブです。
北海道日高地方の馬産地を巡る自転車旅に出かけてきました。今回は浦河町にある『うらかわ優駿ビレッジAERU』を訪問し、引退功労馬として繋養されているオウケンブルースリ、スズカフェニックス、ナカヤマフェスタ、マイネルキッツに会ってきました。
馬産地には守るべきマナーがあります。牧場見学や馬と接する場合の注意点はこちらにまとめていますので、まずはこちらを一読ください。
うらかわ優駿ビレッジAERUの見学方法
見学可能な時期や見学方法は『競走馬のふるさと案内所』に記載されています。注意事項も書かれていますので、訪問する際はこちらを確認するようにしてください。
https://uma-furusato.com/search_farm/1357.html
うらかわ優駿ビレッジAERU乗馬クラブへ
功労馬たちは、優駿の里公園の南側にある『うらかわ優駿ビレッジAERU乗馬クラブ』にて、乗用馬やポニーらと共に繋養されています。日中はこちらの放牧地で暮らしています。
引退名馬の写真や動画撮影は個人利用のみ可ですので、注意です。
また、アエルでは牧場の馬たちに人参を与えて触れ合うことができます。ですが、功労馬には健康管理のため人参を与えられませんので注意しましょう。
引退名馬たちの暮らす厩舎
また、放牧地のすぐ近くには、明治40年頃に建てられた日高種馬牧場第一牝馬厩舎の外装を再現した厩舎があり、功労馬らの馬房があります。この厩舎内も見学可能です。
中央厩舎にチケゾーグッズ
乗用馬らに与えられるニンジンは中央厩舎で販売。他にも乗用馬らをデザインした缶バッチなども販売していて、それらも馬たちの生活の貢献になります。
ここには、2023年2月18日に天馬となったウイニングチケット号の写真やグッズなどが展示されていました。実馬、ウマ娘問わず飾られていて、幅広いファンに愛されていたのが分かりますね。
オウケンブルースリ
デビューは3歳4ヶ月と遅咲きでしたが、2008年の菊花賞で重賞初勝利とG1初制覇を記録。その後も中長距離で活躍し、2009年のジャパンカップではウオッカの鼻差の2着になるなど、レースを大いに沸かせました。ちなみにAERUで同じく余生を送っているマイネルキッツとは、2011年の天皇賞春など同じレースを何度か出走しています。
7歳まで現役を続け、2012年いっぱいで引退。浦河町のイーストスタッドで種牡馬となりました。産駒には2018年の共同通信杯(G3)を勝ったオウケンムーンがいます。
生年月日 | 2005年02月24日 |
戦績 | 27戦5勝(うちG1を1勝) |
主な勝ち鞍 | 2008年菊花賞(G1) |
獲得賞金 | 5億386万円 |
性別 | 牡 |
毛色 | 栗毛 |
名前の由来 | 冠名+人名 |
父 | ジャングルポケット |
母 | シルバージョイ |
母父 | Silver Deputy |
2022年をもって種牡馬を引退。翌年より、うらかわ優駿ビレッジAERUにて、功労馬として余生を送ることとなりました。
放牧地では、スズカフェニックスと放牧されています。互いに馬が合うようで、『新仲良しツインズ』として有名ですね。
特徴的な大きな流星。ブニブニなお鼻もかわいい。
グイッポするアチョーくん。
スズカフェニックス
短距離マイル路線で活躍し、主戦騎手は武豊騎手。2007年の高松宮記念(G1)では、重馬場の中にも関わらず、豪快に差し切りG1初制覇。ちなみに彼の叔父シンコウキングも高松宮記念の覇者で、短距離マイルで産駒が結果を出す母父フェアリーキングの血が、色濃く伝わっているようです。
2008年をもって引退して翌年から種牡馬となり、2013年には産駒のマイネルホウオウがNHKマイルカップ(G1)を制しています。
2016年で種牡馬を引退。以降はうらかわ優駿ヴィレッジAERUにて余生を過ごしており、同牧場ではタイムパラドックス(2022年2月10日没)との仲の良さと瓜二つな姿から「仲良しツインズ」と呼ばれたり、今ではオウケンブルースリと「新仲良しツインズ」を結成。ヘドバンを繰り返す姿も愛嬌たっぷりで、沢山の人から親しまれています。
生年月日 | 2002年3月29日 |
戦績 | 29戦8勝(うちG1を1勝) |
主な勝ち鞍 | 2007年高松宮記念(G1) |
獲得賞金 | 4億4,767万円 |
性別 | 牡 |
毛色 | 栗毛 |
名前の由来 | 冠名+不死鳥 |
父 | サンデーサイレンス |
母 | ローズオブスズカ |
母父 | Fairy King |
放牧地ではいつもアチョーくんことオウケンブルースリと一緒です。
AERUで暮らす功労馬では最年長となりました。でも、一番ひょうきんな子。その姿をいつまでも見ていたくなります。
ナカヤマフェスタ
気性難で知られるステイゴールド産駒でもかなりの気分屋。3歳時はまともに調教ができない時期もありましたが、4歳で一旦落ち着くと宝塚記念を制してG1初勝利。その勢いのままフランス遠征し、フォア賞(G2)と凱旋門賞(G1)を2着。特に凱旋門賞ではアタマ差での惜敗で、日本の競走馬がもっとも勝利に近づいた瞬間でした。
引退後はブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬となりますが、産駒が活躍しなかったことから種付けが休止。ですが、2018年に産駒のガンコが日経賞(G2)を勝利したことで、2019年よりアロースタッドで種牡馬を再開しました。
そして、2023年の9月をもって種牡馬を引退。今はAERUにて余生を送っています。
生年月日 | 2006年4月5日 |
戦績 | 15戦5勝(うちG1を1勝) |
主な勝ち鞍 | 2010年宝塚記念(G1) |
獲得賞金 | 2億9,324万円 |
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
名前の由来 | 冠名+祭 |
父 | ステイゴールド |
母 | ディアウィンク |
母父 | タイトスポット |
一ヶ月前にアロースタッドの種牡馬見学で会っていたフェスタ。AERUで再会です。
アロースタッドでは厩舎見学だったので放牧姿は初めて見ました。綺麗な馬体です。16歳はAERUの功労馬では最年少の新入り。でも風格は古参のように落ち着いていました。
マイネルキッツ
10歳までの長い競争生活を送ったステイヤーで、2009年の天皇賞春を勝利をした時は、12番人気の下馬票を覆しての戴冠でした。
2013年のステイヤーズステークスを最後に引退。その後、横浜市にある根岸競馬記念公苑にて乗馬として第2の馬生を送ります。
同い年のマイネルネオスともに乗馬として活躍してきましたが、20歳を過ぎ高齢となったため引退。開催されたお別れ会には多くのファンが別れを惜しみました。
生年月日 | 2003年03月18日 |
戦績 | 52戦8勝(うちG1を1勝) |
主な勝ち鞍 | 2009年天皇賞春(G1) |
獲得賞金 | 5億5,703万円 |
性別 | 牡 |
毛色 | 栗毛 |
名前の由来 | 冠名+子鹿、子カモシカ(独) |
父 | チーフベアハート |
母 | タカラカンナ |
母父 | サッカーボーイ |
そして、2023年の6月8日からは、うらかわ優駿ビレッジAERUにて、功労馬として余生を送っています。
すらっとした馬体です。キッツくんは放牧地の奥の方にいることが多く、マイペースに草を食んでいる姿がよく見られました。
近くに寄ってきてくれました。去年参加した根岸競馬記念公苑のお別れ会ぶりに顔が見られました。これからも元気で。
見学を終えて
見学予約も不要で、気軽に会いに行ける貴重な牧場です。ただ、その気軽さ故なのかマナー違反の話も時より聞かれ、それにともない見学ルールが厳しくなってきています。
引退馬に会える機会がなくならないよう、訪れる前にルールをよく確認し、出あることを感謝しつつ楽しんでいきたいなと思います。
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