こんにちは。ノブです。
北海道日高地方の馬産地を巡る自転車旅に出かけてきました。今回は浦河町にある『うらかわ優駿ビレッジAERU』を訪問し、引退功労馬として繋養されているウイニングチケットとスズカフェニックスに会ってきました。
馬産地には守るべきマナーがあります。牧場見学や馬と接する場合の注意点はこちらにまとめていますので、まずはこちらを一読ください。
うらかわ優駿ビレッジAERUの見学方法
見学可能な時期や見学方法は『競走馬のふるさと案内所』に記載されています。注意事項も書かれていますので、訪問する際はこちらを確認するようにしてください。
うらかわ優駿ビレッジAERU乗馬クラブへ
ウイニングチケットとスズカフェニックスは、優駿の里公園の南側にある『うらかわ優駿ビレッジAERU乗馬クラブ』に乗用馬やポニーらと共に繋養されています。日中はこちらの放牧地にいるようです。

放牧地のすぐ近くには、明治40年頃に建てられた日高種馬牧場第一牝馬厩舎の外装を再現した厩舎があり、ウイニングチケットとスズカフェニックスの馬房があります。この厩舎内も見学可能です。

アエルでは牧場の馬たちに人参を与えて触れ合うことができます。ですが、功労馬のウイニングチケットとスズカフェニックスは健康管理のため人参を与えられませんので注意しましょう。

ウイニングチケット
1993年のクラシックをナリタタイシン、ビワハヤヒデとともに盛り上げたウイニングチケットは、第60回日本ダービーの優勝馬です。鞍上の柴田政人騎手にとっては19度目の挑戦にして悲願のダービー制覇であり、「世界のホースマンに、60回のダービーを獲った柴田ですと、報告したい」と語ったインタビューは、ダービーを勝利することの意味を世間に強く印象づけました。
古馬になってからは勝利が遠ざかり、94年の天皇賞秋で屈腱炎を発症して引退。日本ダービーが唯一のG1勝利となり、「柴田騎手にダービーを獲らせるために生まれてきた」と言われるようになりました。
引退後は種牡馬となりますが、重賞馬はベルグチケットの1頭のみ。ですが、母系ではレイパパレが2021年の大阪杯(G1)を制しています。
存命のG1優勝馬で最年長の32歳(※2022年現在)。現在はここ、うらかわ優駿ヴィレッジAERUで功労馬として余生を送っています。
余談ですが、馬名は馬主の太田美實氏が「当たり馬券」の英語訳を調べたことがきっかけ。また、愛称の「チケゾー」は当時ウイニングチケットを管理していた島明広調教助手が名付け親です。
生年月日 | 1990年3月21日 |
戦績 | 14戦6勝(うちG1を1勝) |
主な勝ち鞍 | 1993年日本ダービー(G1) |
獲得賞金 | 3億7,177万円 |
性別 | 牡 |
毛色 | 黒鹿毛 |
名前の由来 | 勝利への切符 |
父 | トニービン |
母 | パワフルレディ |
母父 | マルゼンスキー |
2022/09/22
放牧中のチケゾーに会えました。毛艶も良く、32歳の馬体とは思えません。

歯も丈夫で、食欲も旺盛。草を食む心地よい音に癒やされます。

こちらは厩舎内にあるチケゾーの馬房。

チケゾーの馬房には数えきれないくらいの御守りが取り付けられています。スタッフさんの献身的なお世話に加え、長生きしてほしいというファンの願いが、彼の健康的な馬体を支えているのかもしれませんね。

収牧後、ちょうど顔を出してくれました。顔付きはとても優しく、吸い込まれそうな瞳です。

2022/10/09
外側の窓から顔を出すチケゾー。

手入れの場面にも立ち会えました。目を細めて気持ちよさそうです。


2022/10/10
この日は旅の最終日。土砂降りでしたが会いにいきました。彼を見ていると別れがたくなり、高速バスに間に合う時間ギリギリまで滞在していました。

スズカフェニックス
短距離マイル路線で活躍し、主戦騎手は武豊騎手。2007年の高松宮記念(G1)では、重馬場の中にも関わらず、豪快に差し切りG1初制覇。ちなみに彼の叔父シンコウキングも高松宮記念の覇者で、短距離マイルで産駒が結果を出す母父フェアリーキングの血が、色濃く伝わっているようです。
2008年をもって引退して翌年から種牡馬となり、2013年には産駒のマイネルホウオウがNHKマイルカップ(G1)を制しています。
2016年で種牡馬を引退。以降はうらかわ優駿ヴィレッジAERUにて余生を過ごしており、同牧場ではタイムパラドックス(2022年2月10日没)との仲の良さと瓜二つな姿から「仲良しツインズ」と呼ばれたり、ヘドバンを繰り返す姿が愛嬌たっぷりで、沢山の人から親しまれています。
生年月日 | 2002年3月29日 |
戦績 | 29戦8勝(うちG1を1勝) |
主な勝ち鞍 | 2007年高松宮記念(G1) |
獲得賞金 | 4億4,767万円 |
性別 | 牡 |
毛色 | 栗毛 |
名前の由来 | 冠名+不死鳥 |
父 | サンデーサイレンス |
母 | ローズオブスズカ |
母父 | Fairy King |
2022/09/22
放牧中のスズカフェニックスに会えました。微動だにせず、ぽかぽか陽気で眠かったようです。

しばらく日なたぼっこしたら、おもむろに草を食んでいました。

こちらはスズカフェニックスの馬房。

フェニの馬房にも御守りがいっぱい。彼もまた沢山のファンに愛されています。

2022/10/09
ちょうど手入れに向かうところに出くわし、スタッフさんのご厚意で記念撮影ができました。

チケゾーと一緒に日課の手入れを受けるフェニ。


食事をしながら外を眺めるフェニ。食べ終わると顔を引っ込め、再び口に牧草を加えて現れるを繰り返していました。

2022/10/10
旅の最終日にも会いにいきました。口元がちょっと揺るんだ良い表情です。この旅で彼のファンになってしまい、別れが非常に辛かったです。

まとめ
うらかわ優駿ヴィレッジAERUは、予約が不要で自由に見学のできる珍しい場所です。とても有り難いことですが、自由が許されることで迷惑行為をする人が多いのも事実。過去にはウイニングチケットの鬣を切ってメルカリに出品した女性が逮捕される事件も発生しています。
また、馬房の御守りはスタッフの手によって付けられています。観光地のパワースポットのノリで勝手に付けてはいけませんので、その点も注意が必要です。
功労馬に御守りを持ってきてくださる方へお願いです。
— うらかわ優駿ビレッジAERU (@aeru_joba) October 16, 2022
功労馬の馬房に許可なく御守りを付ける事はご遠慮ください🙇♂️
御守りを持ってきてくださった方は、
乗馬スタッフにお声がけいただき、
お預かりした御守りはスタッフが
馬房に付けさせていただきます。
ご理解の程よろしくお願いいたします🙇♂️
こうして見学ができるのも、牧場側のご厚意によるもの。訪れる際はマナーを守って見学したいですね。
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