【ブルベ】2022BRM811北海道1000摩周湖実走レポート【後編(帯広市~札幌市)】

ブルベレポート

こんにちは。ノブです。

AJ北海道主催のBRM811北海道1000摩周湖に参加。今回は実走レポートで、前編・中編・後編の全3編に分けてレポートします。今回は後編。帯広市からゴール札幌市までの約310kmを走ります。

走行データ

Ride With GPS

Relieve ライド動画

Garmin 走行データ

ブルベ走行レポート

694km地点:ホテルムサシ(帯広市)~718.7km地点:通過C-E道の駅ピア21しほろ

昨日は日付が変わる頃に就寝して4時間ほど仮眠し、午前4時半過ぎにホテルをチェックアウト。残り310kmを明日の午前8時までにゴールすればよいのでもっと寝ていられますが、明るい間に多く走っておくことにしました。

近くのセイコーマート帯広駅前店で朝食。ここはゴミ箱が撤去されていない店舗でした。今のところゴミ箱が撤去されていたのは網走管内の一部店舗だけですね。

まずは十勝大橋を渡って国道241号線を北上していきます。スタート前の予報では土曜日は曇りの予報でしたが、朝から快晴。風も穏やかで絶好のサイクリング日和です。

橋を渡り終えたらその先は音更町。帯広市の中心部が十勝川と札内川の2河川に挟まれて発展しているため、すぐに隣町に出られてしまいます。

音更町の市街地は大手外食チェーンなどが見られ発展していますが、そこを過ぎれば、これぞ十勝平野と思える農地が広がっています。

延々と続く直線道路を走り、士幌町に入りました。

帯広市から約20kmほど走って『セイコーマート 中士幌店』へ。時刻は午前6時20分。6時から営業開始だったのでちょうどよい時間に到着しました。

ここから75kmほどコンビニ無し区間に入りますので、しっかりと食事をしておきます。ホットシェフのおにぎりを買いましたが、塩鯖が良い塩梅でかなり美味かった。


718.7km地点:通過C-E道の駅ピア21しほろ~855.5km地点:PC4セブンイレブン美瑛栄町店

セイコーマートから5kmほど進んで、通過チェックポイントの『道の駅ピア21しほろ』に到着。ここでは案内板と自転車を写真に収めて証跡とします。


まだ早い時間帯なので道の駅は開いていませんが、車中泊をしている車が多数駐車していました。キャンピングカーで北海道を旅するのも楽しそうです。

ふと、遠くに目を向けると黒い点々が空を舞っているのが見えました。どうやら気球のようです。『第49回北海道バルーンフェスティバル』というイベントが8月12日~14日の間で開催されていたみたいで、ちょうど競技の真っ最中だったようです。

【公式】北海道バルーンフェスティバル/上士幌町
全国で初めて1974年に実施された熱気球の大会です。全国から数十機もの熱気球が集まります。会場では屋台が並びや様々なイベントを開催しお祭り気分を味わえます。

道の駅からは富良野方面に向かうべく進路を西へ。富良野は盆地にあり、これから狩勝峠を越えるため山の方へと向かいます。十勝平野を走っている最中ですが、すでに斜度は0~3%くらいの緩やかな感じで登っていました。

パンケチン川という小さな川を越えたところで鹿追町へと入りました。カントリーサインが町名をそのまま現していますね。その由来はアイヌ語の「クテクウシ」。「鹿をとるシカケのたくさんあるところ」という意味なんだそうです。

しばらく走って鹿追町の市街地へと入り、『道の駅 うりまく』の前を通過。ここには乗馬体験が可能な『ライディングパーク』があります。まだ営業時間前ですが、道路沿いから放牧されている馬たちを見ることができました。

鹿追町には乗馬のできる牧場が他にもあり、馬が観光資源として活用されています。道の駅のトイレも蹄鉄のデザインですし、馬好きなら訪れたくなる要素が満載でした。機会があれば再訪してホーストレッキングをしてみたいと思っています。

ちなみに道の駅のトイレに入ろうと近づいたら、中のベンチでランドヌールが仮眠中だったので、起こしちゃマズいだろうと早々に出発しました。

道の駅から先は、これまで走っていた国道274号線を逸れて道道593号線へ。十勝平野の端っこまで来たため、徐々にアップダウンが現れるようになります。

登った先には町立の乳牛育成牧場があり、大量の牛たちが放牧されていました。馬を見たり牛を見たり、今日も北海道らしさ満載の景色です。

新得町に入るところでダウンヒル。距離は短いですが6%前後の下り坂はカーブも多く、スピードを出しすぎないようゆっくり下っていきます。

再び平坦区間を走りますが、これが十勝平野を走る最後の景色。この先は狩勝峠に向けてアップダウンのある林道を進んで行くことになります。

林道を抜けると、国道38号線に合流。そこから狩勝峠に向けて約9kmのヒルクライムです。主要道だけあって交通量はこれまでよりも多いですが路肩も広い(※終盤のスノーシェッド内は路肩がないので注意)ので、そこまで危険は感じません。斜度も4%前後がダラダラと続く感じです。

道中には10合目まである行程のどこまで登ったかを示す看板が出ていました。描かれている動物は看板毎に違っていて、周囲が木々に覆われて景観が期待できない分、次は何かな?と期待しながら登っていました。

45分ほど掛けて狩勝峠に到着。ここから先は南富良野町です。この頂上付近は開けていて、十勝平野が見渡せる絶景スポットになっていました。

トイレや自販機もあるようなので休憩できますが、売店は閉業しているようです。食事は南富良野の市街地までお預けですね。

頂上から19kmほど下って南富良野の市街地へとやってきました。セブンイレブンとセイコーマートを見かけましたがそこには寄らず、『道の駅南ふらの』に立ち寄ります。

『道の駅南ふらの』でご当地絶品グルメ!

2022年4月27日にリニューアルされた道の駅で、商業施設にモンベルが入っていたりして物欲を誘ってきますが、今回の目的は食事。75kmの無補給区間を終えたので、ご当地グルメを食べておきたいと思います。


元々の計画ではここにあるビストロさっちゃんというお店で鹿肉料理が食べられると調べていましたが、『ほしざわや』というお店を見て急遽方針を変更します。

調べているときは気付きませんでしたが、ここは道民なら誰もが知る札幌テレビの長寿番組『どさんこワイド』で料理コーナーを務める星澤先生のお店のようです。今日は御本人がいらっしゃっていて、顔を見て思わず声を上げそうになりました。

星澤先生自らが厨房に立っていて、その料理を食べられるなんて、そんな機会をみすみす逃すわけにはいきません。

早速お店に入って期待に胸を躍らせながら注文したのは2品。紅葉丼は甘辛く煮込んだ鹿肉の丼、そしてトマトの味噌汁は温と冷が選べ、今回は冷たい味噌汁にしました。

どちらの料理も美味しかったですが、特にトマトの味噌汁は絶品。トマト自体が朝収穫したのかって思うくらい新鮮で美味すぎました。

思いがけない出会いと料理で空腹感を満たし、富良野盆地を北上していきます。まずは富良野市へ入るために国道38号線を走って樹海峠を登ります。距離は3kmほどで勾配も4%前後。さくっと登れてしまう峠道でしたが、交通量が多いのでその点は注意が必要です。

樹海峠の頂上付近には、『幾寅峠ハチ公之碑』が建っています。渋谷のハチ公ではなく、この峠で主人の帰りを待って亡くなった忠犬を偲んで作られたものだそうです。

樹海峠を下ってしばらく走った先で国道38号線を逸れて、農道へと入ります。すると見渡す限り一面は畑。「富良野・美瑛にやってきた!」と思える景色が広がっていました。

そして、景色とトレードオフで得られるのはアップダウン。富良野・美瑛は丘陵地帯のため、登ったり下ったりを繰り返すことになります。

原始の泉

それにしても暑い。盆地は熱を溜めやすいとは言いますが、関東に比べてカラッとしているのに日差しは強く、体力をジワジワと削ってきます。

上富良野町に向かう道中に『原始の泉』を見つけました。立ち止まって調べてみると、50mほど砂利道を歩いた先に湧き水があるようです。

これ幸いと奥へと進み、流れ出る水に触れてみるとキンキンに冷えていて気持ちが良い。周囲に誰もいなかったので、ボトルに汲んで頭から被りました。

それにこの湧き水は水質検査もされていて飲んでも大丈夫なようです。実際に湧き水でボトルを満タンにして飲料水として利用しました。最後までお腹が痛くなることはなかったのですが、もしこのブログを見て湧き水の飲用を検討される場合は、あくまで自己責任でお願いします。


『かつさん堂』のかみふらのポークヒレカツサンド!

気分をリフレッシュして、上富良野町の中心部までやってきました。ここにも事前に調べていたご当地グルメがあるので寄り道します。

上富良野駅近くに『かつさん堂』というテイクアウト専門のサンドイッチ屋さんがあるのですが、ここのサンドイッチは注文してから作ってくれます。注文した”かみふらのポークヒレカツサンド”はお肉が分厚く、かつ柔らかくてめちゃくちゃ美味かったです。ソースもスパイシーでカツとよく合いました。

かつさん堂
上富良野産ポークを使用したヒレカツサンドと美味しい珈琲のテイクアウト専門店です

その後、近くの『ローソン 上富良野店』でペットボトル麦茶を購入したのですが、ここもゴミ箱撤去のお店でした。ドリンクをボトルに移したら潰してPEKOさん反射ベストのバックポケットへ。次のコンビニにゴミ箱があれば捨てたいところです。

市街地を抜けると再び坂があり、アップダウンを越えつつ先を進み、美瑛町へとやってきました。

新栄の丘でソフトクリームのパフェ!

美瑛町には名所がいくつもありますが、今回は寄り道せずにルート通りに進み、新栄の丘へとやってきました。

この新栄の丘は子供の頃から旅行で何度か訪れている馴染みの景色。そして、売店で食べるソフトクリームが絶品なのです。今回は限定のコーヒーパフェにしてみました。ここのソフトクリームは濃厚なので、コーヒーの苦味とよく合いました。


855.5km地点:PC4セブンイレブン美瑛栄町店~890.3km地点:通過C-F奔茂尻トンネル

PC4セブンイレブン美瑛栄町店に到着したのが15時12分。クローズ時間が19時24分なので、4時間以上貯金がある状況です。食べてばかりでゆっくりペースですが、朝早くに出発した効果が出ているようです。

このコンビニはゴミ箱が利用可でしたので、前のコンビニで出たペットボトルも捨てさせてもらいました。どの店舗でゴミ箱を撤去しているか予め分かるように各社まとめてくれていればよいのですが、そのへんは出たとこ勝負ですね。


美瑛町まで北上してきましたが、ここからはUターンするように南下し、芦別方面へと抜ける国道38号線を目指します。

富良野・美瑛の景色もこれで見納め。何度訪れても飽きない風景ですが、雲行きが怪しくなってきているので、そろそろ頃合いでしょう。

国道237号線から道道70号線へと逸れ、富良野市に向かってアップダウンをこなしながら南下。その道中、パラパラと雨が降り始めていました。最初は青空も見えていたので天気雨と思ってそのまま進んでいましたが、ザッと叩き付けるような雨が降ってきたので、バス停に避難してレインジャケットを着込みます。

890.3km地点:通過C-F奔茂尻トンネル~Finish:ローソン札幌北37条東店

富良野市に入ったところからしばらくダウンヒルが続き、国道38号線に合流。その道中で芦別市に入っていたようです。

通過チェックポイントの『奔茂尻トンネル』に到着した頃には雨も上がりつつあり、証跡となるトンネル前で写真を撮っておきます。

これですべてのPCと通過チェックポイントを通過。後はゴールの札幌市までの115kmを無事に走りきるだけです。


国道38号線は緩やかに下っていて、しばらく走ると大きな観音様が見えてきました。芦別市には『北の都 芦別』というレジャー施設があり、子供の頃にCMがバンバン流れていたので見覚えがありますが、実際に見るのは初めてです。

そのレジャー施設の近くに『道の駅スタープラザ芦別』があり、補給とトイレ休憩のために立ち寄りました。お目当ては2階のレストラン。大抵の道の駅の食事処が17時頃には閉店してしまうの対し、スタープラザ芦別のレストランは19時半までやっているので、目を付けていました。


注文したのは、芦別名物『ガタタンラーメン』です。塩味のあんかけスープを”ガタタン”というらしく、あっさり系の中華風スープでした。ですが、胡椒の効いた塩ダレで味変するとパンチが効いてガッツリ食べられます。とろみで熱を閉じ込めるのは、寒い北国でも最後まで温かく食べるためのアイデアでしょうね。美味しかったです。

お腹も十分に満たし、再び国道38号線に復帰して緩やかな下り道を進んで行きます。

走行中、どこからともなく盆踊りの囃子が聞こえていました。家の前で花火を楽しんでいる家族の姿も見かけます。日暮れで肌寒さも感じるようになり、北海道はすでに夏の終わりが近づいているようです。

赤平市の市街地に入る手前で国道38号線を逸れて道道114号線へ。するとすぐに登りが待ち構えていました。距離は3kmほどですが、900km以上を走ってからの登りは体に響きますね。

トンネルを過ぎてからは歌志内市を緩やかに下っていきます。途中、セイコーマートが2店舗ありましたが、お腹もドリンクも十分補充されているので、そのままスルーします。

上砂川町に入る直前にも短いですが登りがありました。ですが、これで主要な登りはすべてクリア。後は石狩平野の平坦区間を走るだけです。

砂川市に入ってからは、国道12号線と平行に走る道道1130号線を突き当たるまで南下していきます。その後、国道12号線へと合流。ここからは美唄市、三笠市といった地方都市を通るので、コンビニ休憩には困りません。

岩見沢市に入って、残り30km地点にあったセイコーマート岩見沢5条店に立ち寄り最後の補給。ゴミ箱が使えることを確認し、ラストはホットシェフ定番メニューのカツ丼にしました。

芦別から60kmほどノンストップで走ってきたので、ちょうどお腹も空いていてペロリと完食。相変わらずのコンビニとは思えない美味しさでした。

再び国道12号線を札幌方面へと進みますが、カツ丼は量が多くてお腹が重い。少しペースを落として走りつつ、札幌市の隣町、江別市へと入りました。

江別駅近くで国道12号線と別れて住宅街のひっそりとした道路を走り、さらに札幌に続いているとは思えない街灯のほとんどない細い道を進んで行くと、ついに札幌市に入りました。

ここは国道や道道ではないため、カントリーサインはありません。最後はカントリーサインを見たかったですが、まあ仕方ありません。

町境からゴール地点までは残り7kmほどです。すぐに国道276号線に合流し、最後は道道1137号線を走って、ゴールのローソン札幌北37条東店に辿り着きました。


早速、レシートを取得します。打刻された時刻は23時43分。8月11日午前5時に出発したので、所要時間は66時間52分。長い長い1000kmブルベを走りきりました。

忘れないうちにその場でリモートブルベカードにアクセスし、レシートや通過チェックポイントの証跡をアップロードしてゴール受付を完了させます。完了メールの受信を確認し、ようやくホッと一息つくことができました。

ただ、このまま同じ場所に留まっていると足に根が張って歩けなくなりそうです。そうなる前に移動です。スタート前の宿として使っていた快活CLUBへと向かい、鍵付き個室を確保。シャワーと洗濯をし、旅の汚れを落として就寝しました。

ブルベ実走レポートはここまで。次回でBRM811北海道1000摩周湖レポート最終回。このブルベを総括します。

ブルベレポート
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
この記事をシェアする
この記事を書いた人
ノブ

『ろんぐらいだぁす!』をきっかけに'17年春からロードバイクを始めたキャンプ、登山、馬、サブカル好きなサイクルツーリスト。
 
グルメと絶景を求め各地を巡るロングライド自転車旅行記にブルべ挑戦記、サイクリングの便利グッズやキャンプギアのインプレ、自転車関連の書籍や映像作品のレビューをブログ『ツール・ド・気ままに』で公開中。
 
'19年に日本一周15,594km(172日間)を完走。'20年からブルベに参加し、'20~'23年はSR獲得。ブルベの最高峰PBP完走が今の目標です!

'22年よりNPO法人引退馬協会のFP会員として活動。引退馬支援とともに乗馬も少しずつ始めています。
 
◇所有自転車
KhodaaBloom FARNA 700-105
Birdy Standard Disc
 
ヘッダー画像のキャラクターは『びわっこ自転車旅行記』の大塚志郎先生に描いていただきました。
 
フォローはこちらから▼

このブログをフォローする
ツール・ド・気ままに

コメント