こんにちは。ノブです。
ランドヌール宮城主催のBRM715宮城1000に参加。実走レポートは、前編・中編・後編の全3編に分けることにしました。今回は後編。秋田県大館市からゴールの山形県寒河江市までの約310kmを走ります。
走行データ
Ride With GPS
Relieve ライド動画
Garmin 走行データ


ブルベ走行レポート
705km地点:ルートイン大舘駅南~786.2㎞地点:PC6 ファミリーマート潟上昭和店
午前1時半過ぎにホテルルートイン大館駅南をチェックアウト。だいたい3時間半ほど仮眠しました。本当は2時間の仮眠で済ませるつもりでしたが、アラームが鳴っても起きられず、そのまま寝過ごしてました。よく自力で起きたなという具合です。

次のPCは、ここから約80km先にあります。本来のクローズ時間は午前5時17分。実はこれにギリギリ間に合わせるつもりでしたが、もう無理ですね。ここは救済措置3時間を有効活用して、焦らずに進みたいと思います。
ここまで700km以上走ってきたわけですが、股ずれと太股に筋肉疲労が少しあるくらい。懸念だった腰や膝に痛みはなく、思っていたよりもダメージはありません。昨日の行程で無理に秋田市まで行かず、大館市で宿を取ったことで余計な負荷を掛けずに済んだのかもしれません。
近くのコンビニで補給を終え、真っ暗な夜道を進んで行きます。出発から最初の25kmは小さなアップダウンはあるものの、全体を見れば平坦区間。そこから北秋田市を南下していくところに、距離は短いですが2回の登りが待っていました。
出発から2時間半が過ぎ、45kmほど走行したところで夜も明け、その道中にあった『道の駅かみこあに』でトイレ休憩を挟みます。

ここまで曇り空ですが雨が降ってくることはなく、風もほとんどないので走りやすかったです。気温は真夜中でも20℃近くあったと思いますが、走行中は若干肌寒く感じ、ホテル出発時は半袖サイクルジャージの出で立ちでしたが、早々にレインウェアの上着だけ羽織って進んでいました。
道の駅の休憩は軽めにして再出発。目覚ましで起こされなかったせいか眠気が再びやってくることもありません。
この先は峠越えです。とは言え、斜度はゆるゆる。2~4%くらいの坂が続いているだけです。早朝で車もほとんど通りません。
しかし、登り始めてしばらくして、空模様が急激に怪しくなってきました。パラパラと降り出したかと思えば本降りに移行。木の下に逃げ込んで、レインパンツ、レインシューズカバーを着込みます。
ちなみにレイングローブは雨が降らない内から身に着けていました。指切りグローブのパッドがズレて肌と擦れるようになったのですが、レイングローブを重ねるとちょうどいい位置にパッドが固定されて快適。結局、ゴールまでずっと着用し続けていました。蒸しましたが……。
さて、秋田峠の頂上はトンネル。ここを潜ればしばらくダウンヒルが待っています。

坂を下っていく内に雨雲はどんどん消えて、いつの間にか青空が広がるようになりました。どうやら通り雨だったようで、天気がコロコロ変わります。

786.2㎞地点:PC6 ファミリーマート潟上昭和店~887.9㎞地点:PC7 ファミリーマート遊佐西浜店
PC6 ファミリーマート潟上昭和店に辿り着いたのは、午前6時15分頃。本来のクローズ時間から1時間遅れの到着ですが、救済措置により、まだ2時間の貯金がある状態です。

このコンビニ上空は青空ですが、周囲には雨雲らしき固まりがポツポツと点在している不思議な空模様でした。アプリの雨雲レーダーを確認してみると、周囲の雲は雨雲と認識されていないようです。それを見て、ここから先は晴れると判断し、雨具類をグローブを除きすべてサドルバッグに仕舞い込みました。
ここからは日本海沿いを南下していきます。この先はブルベのサブタイトル『超ウルトラスーパーフルフラット』の名に恥じないド平坦コースです。一気に遅れを取り戻したところですが、国道7号線に合流し、道の駅あきた港のポートタワーセリオンが見える位置で、一度ライドを中断し歩道に移動しました。
今回、Garminのナビ情報は1000kmを3分割してインストールしており、このすぐ近くにルートイン秋田土崎があって2日目のゴール地点。ナビがここで終了したというわけです。
早速3日目のナビ情報を読み込んで、その間にチェーンに注油。残りの距離は約200kmとなりました。ゴールの山形県寒河江市を目指して再出発です。

まずは、日本海の海沿いを象徴する風力発電の風車がお出迎え。完走計画を立てている時は、南風の向かい風の中を進むだろうと想像していましたが、今日は風も穏やかです。

ただ、それにしても暑い。半袖サイクルジャージの上下で走っていますが、最終日も曇りや雨のつもりで準備してきたので、日焼け止めは持ってきていません。肌が焼けるは覚悟の上で、突然降って湧いた夏の陽気を満喫していきます。
快晴の国道7号線をひたすら南下していきます。この道を通るのは2019年の日本一周ぶりで、見える景色どれもが懐かしかったです。

この国道7号線は寄り道スポットがいろいろあります。ご興味のある方は過去記事を参照ください。

道中、赤と黄色のパラソルを見つけて寄り道。秋田名物ババヘラアイスで補給です。おばちゃんから「どこから来たの?」と問われ、どう説明して良いか迷いました(笑)

国道7号線には4つの道の駅があるので、その内の一つ、にかほ市にある『道の駅きさかた ねむの丘』に立ち寄り、早めの昼食としました。
ここはハタハタ料理の楽しめるレストランがありますが、それは日本一周中に味わったので、今回はフードコートにあったお店で特選丼をいただきました。注文してすぐに出てきてくれたので、ブルベ中の食事としてとても有り難かったです。


PC6から約95kmほど走り、秋田県と山形県の県境までやってきました。次のPC7まであと7~8kmです。

887.9㎞地点:PC7 ファミリーマート遊佐西浜店~ゴール:ローソン寒河江仲谷地店
12時15分頃にPC7のファミリーマート 遊佐西浜店に到着。本来のクローズ時間が14時7分ですから、1時間50分ほどの貯金が作れ、救済措置3時間をプラスすると5時間近く貯金ができているペースになりました。流石はフルフラット区間です。

これですべてのPC、通過チェックに立ち寄りました。あとはゴールの寒河江市を目指すだけです。
これまで南だった進路を南東へと向けていきます。その眼前には鳥海山が見えるのですが、今日は山頂が雲で覆われてしまっていました。ここにきて、灰色の雲が増えてきているのが気がかりです。

しばらくは庄内平野を南下していきます。最上川へと合流し川沿いを進んでいると、雨がポツポツと降ってくるようになりました。どこかで雨具が必要になりそうと様子を伺いながら走っていると本降りになってきました。
ちょうど清川の関所があったので、その軒先でウェアやレインシューズを着用していきます。この清川の関所は『奥の細道』に登場し、最上川を船で下った松尾芭蕉の上陸の地と記されています。そして、5月に参加しDNFしたBRM501日本橋1000奥の細道の通過チェックポイントでした。
まさかこんな形で訪れるとは思いませんでしたが、日本橋1000はいつかリベンジしたいという気持ちを新たにすることができました。

しばらくは国道47号線を走っていきます。内陸に向かっていますが、最上川に沿って伸びているので傾斜はとても緩やかです。ただ、山形市に向かう主要道の一つのため、交通量はかなり多く大型車も通ります。それに、道路工事で片側相互通行だった場所が一か所あり、その影響で車の流れが滞っていました。
最上川沿いを走っていると雨も止み、再び暑くなってきたので、道中にあった『道の駅とざわ』に寄り道し、レインウェアを仕舞って再出発しました。

『道の駅とざわ』の少し先で、国道47号線とはお別れ。交通量の多い国道だったので抜けられてホッとしました。でも、最上川とは向かう方向が同じなため、何度か川を渡る機会がありました。
そして、数は少ないですが登りがあります。しかし、ここまで走ってきた参加者なら難なく乗り越えられる距離の短いものばかりでした。

山形県の山間部の町村を進んでいると、茶色っぽく汚れた道を何度か目にすることになります。白いセンターラインの代わりにコンクリートのラインが引かれ、等間隔で穴が作られています。これは『消雪パイプ』と呼ばれる融雪設備のようです。

県道31号線を走行中、国宝 土偶『縄文の女神』の象を見かけて立ち止まりました。どうやらこの近くの西ノ前遺跡で発掘された土偶のレプリカのようですね。本物は県立博物館にあるそうです。

ちなみに、この先にファミリーマート 舟形町中央店があるのですが、一度ここで補給をしていけばよかったと後になって思いました。
というのも、このファミマから25㎞ほどコンビニが現れなかったからです。しばらく走ると『大石田そば街道』と呼ばれるルートに入り、蕎麦屋がいくつかあるのですが、夕方だとどこも営業終了していて蕎麦が食べられませんでした。
結局、持っていた補給食を食べながら走り、ようやく見つけたセブン-イレブン 村山白鳥店に立ち寄って休憩を入れましたが、ゴールまで残り15㎞の場所までやってきていました。もっと手前でお店を見つけて食べておけばよかったです。
18時15分頃に寒河江市へと入りました。残すところあと5㎞です。

寒河江駅前を通過して少しすると、県道24号線沿いにローソン寒河江仲谷地店が見えてきました。ここがこのブルベのゴール地点です。

長い長い旅がようやく終わりました。このコンビニでランドヌール宮城のスタッフさんが参加者の到着を待っていて声をかけてきてくれました。その話では「あなたで5人目です」とのこと。PC6以降、参加者はこのコンビニに先着していた1人くらいしか見ていなかったので、てっきり最後尾を走っているものと思っていましたが、まだ1桁しか完走していないようです。
その後、ゴール受付である最上川ふるさと総合公園の第二駐車場へ向かいます。駐車場の一番奥まったところにタープが張られ、テーブルと椅子が用意されていました。
スタッフさんにブルベカードを渡してレシートと証跡の写真をチェックしてもらい、ゴール受付完了。所要時間は66時間37分(救済3時間込み。※実時間69時間37分)でした。
その後、受付で次の参加者がやってくるのをしばらく待っていましたが、暗くなってきたので天童市へと移動。JR天童駅から歩いてすぐのところにあるコンフォートホテル天童に後泊しました。
翌朝、ホテルのビュッフェ形式の朝食をいただきました。ご当地食材を使ったスムージーやラ・フランスのゼリーなどもあって美味しい食事でした。


午前7時50分の山形新幹線で東京に向けて出発。ゆっくり山形県内を観光したところですが、午後から仕事が待っています。変わりゆく景色を眺めながら、非日常を過ごした70時間に思いを馳せつつ、現実へと戻っていくのでした。

これでBRM715宮城1000のブルベレポートは終了です。あとは総括を残すのみですが、それは次回の投稿としたいと思います。
コメント