サイクリストに人気の日本一小さな牧場『飯田牧場』を振り返る

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こんにちは。ノブです。

年末の風物詩となっているpayanecoさん主催の『ロードバイク Advent Calendar』。去年から参加しましたが、今年も引き続きエントリーし、17日目を担当します。

今回のお題は、サイクリングで食べた思い出の味についてにしました。来年1月末で閉店してしまう『飯田牧場』をこの機会にじっくり振り返ろうと思います。

目次

知ったきっかけは、ろんぐらいだぁす!

飯田牧場。通称いいぼく。南関東のサイクリスト、もしくはアニメや漫画好きなサイクリストなら、その名前を聞いたことがあるかと思います。

この牧場のことを始めて知ったのは、テレビアニメ『ろんぐらいだぁす!』でした。テレビ放送が2016年10月ですから、今から約7年前ですね。その第一話は境川サイクリングロードが舞台となり、ハンガーノックになった亜美ちゃんを雛子さんたちが助けるシーンが描かれます。そして、彼女らが補給のために向かった先が飯田牧場でした。

アニメに登場した飯田牧場
アニメ『ろんぐらいだぁす!(© 三宅大志・一迅社/ろんぐらいだぁす!製作委員会)』第一話より引用

ここで亜美ちゃんは、それはもう美味しそうにジェラートを食べるのですが、その姿がずっと印象に残っていて、見終わる頃には「いつか食べてみたい」、そう思うようになっていました。サイクリングして美味しいものを食べたいと考える原点は、ここから始まったのかも知れません。

それからしばらくしてロードバイクを購入を決意し、2017年4月15日に納車。納車から約3週間後の5月3日、自宅から片道40㎞を走って飯田牧場を初訪問します。

念願のジェラートが食べられたときの感動はひとしおでした。以後、6年半で10回訪問する定番のサイクリングスポットになりました。

初訪問で食べたのは、ミルクと抹茶でした。

飯田牧場ってどんなところ?

ここでは飯田牧場についてもう少し詳しく解説していきます。飯田牧場は、神奈川県藤沢市にある『日本一小さな牧場』です。藤沢といえば江の島をはじめとする海のイメージが強いと思われますが、内陸に入れば農業や養豚、酪農も盛んにおこなわれています。

飯田牧場の創業は1968年(昭和43年)。面積、飼育頭数ともに日本で一番小さなその牧場では、ホルスタイン、ジャージー、ブラウンスイスの3種を飼育していました。

搾乳した原乳はバランスよくブレンドされ、低温殺菌処理をして販売しています。ホモジナイズ(生乳に含まれる脂肪球を細かく砕く行程)をしていないため、静置すると上部にクリームの層ができ、搾りたてに近い風味が楽しめるのも飯田牧場の牛乳の特徴でした。

そして、飯田牧場では牛乳の生産だけでなく、牧場産の牛乳を乳製品に加工。敷地内の店舗で販売もしています。

その中でも一番人気がジェラートです。販売は1995年(平成7年)頃からで、当時はイタリア語の「ジェラート」という言葉が浸透していなかったため「アイスミルク」として販売していたようです。

ミルクなどの定番商品の他に季節限定メニューも考案され、夏は酸味のあるさっぱり系、冬はこっくり濃厚な味わいといった具合に、一年中楽しむことができるのも人気の秘訣でした。

サイクリストとの繋がり

ろんぐらいだぁす!でも登場しましたが、ジェラートはサイクリングの補給にぴったりです。糖質中心でカロリーがあって価格は手頃。待ち時間も少なく手軽に食べられるのに、ちょっと特別感のあるスイーツです。それに地元の食材を使うこともあって、ご当地グルメ感もあります。

牧場が境川サイクリングロードから近いのも、立ち寄るには都合のよい立地でした。ジェラートを求めて自転車愛好家たちが通うようになり、敷地内にはサイクルラックが設置されるようになりました。

そして、今日に至るまで境川周辺サイクリングの定番休憩スポットとして、多くのサイクリストに愛されてきました。

閉店のお知らせ

そんな飯田牧場ですが、2023年11月初頭にSNSで「2024年1月いっぱいで閉店」と告知されます。これは急な話ではなく、今年の流れを簡単にまとめると、23年4月に餌代高騰により乳牛の飼育を断念し離農。同年9月にジェラートのコンビニ卸専業へ転換と、徐々に営業規模が縮小していきます。

そして、同年11月、店主高齢化で営業継続が困難という決断により、29年半の歴史に幕を閉じることとなりました。

これまで飯田牧場のジェラートは、サイクリングの楽しみの一つになっていました。食べられなくなることはとても残念ですが、長い間、本当にお疲れ様でした。

飯田牧場を振り返る

ここでは、2017年から2023年までに撮影した飯田牧場の写真を元に振り返っていきます。

外観

ろんぐらいだぁす!の聖地巡礼に初めて訪れた際、初めて訪れたのに初めてじゃない感覚になりました。週末は開店前に人が並ぶこともあって、大賑わいでした。

ジェラートの他に、ソフトクリームや牛乳せんべいなども販売。

サイクルラックも完備され、サイクリストが立ち寄りやすい環境でした。

店内

店内の壁面には芸能人のサイン色紙がいっぱい飾られていました。

もちろん、三宅先生直筆の色紙も飾られています。

一角にはろんぐらいだぁす!のコーナーがあり、単行本やツーリングマップも置かれていました。

グッズも販売されていました。

ジェラート

2018年4月21日に訪問。この日はミルクとチョコチップでした。

2018年8月18日に訪問。ジェラートはミルクとラズベリー。酸味のあるラズベリーと濃厚なミルクの組み合わせが最高でした。

2019年2月17日に訪問。寒くてもジェラートは最高に美味しい♪ イチゴとミルクを頼みました。

2019年4月6日に訪問。この日は紅茶とキャラメルです。すっきりとした風味と濃厚な甘さがたまりませんね。

2020年1月25日の訪問時は、焼き芋とクリームチーズでした。ふんわり濃厚な風味で冬の補給にぴったりです。

2020年9月13日に訪問。ジェラートはミルクとラムレーズンにしました。ほんのりラムの香りがして美味しかったです。

2021年6月26日に訪問。パイナップルとマンデリンオレンジにしてみました。暑い日は酸味のあるスイーツが美味しいですね。

2023年4月29日に訪問。離農が決まり、飯田牧場で搾乳した最後の牛乳で作られたジェラートを味わいに行きました。以降は、仕入れた牛乳を使って継続するとのことでした。

SNSで閉店の報告を知り、2023年12月9日に訪問。このジェラートが食べられるのもあとわずかです。

牛舎

お店の裏が駐車場になっていて、その隣に牛舎があります。ベンチが置かれていて、牛舎を眺めながらジェラートをいただくことができました。

2023年4月に離農することが報告され、牛たちが移動した後の牛舎です。一気に寂しくなりますね。

看板猫きなこ

牧場には猫の存在が欠かせません。自由気ままに生活しつつ、害獣退治から家畜とのコミュニケーション、そして人に癒しを与える万能さを兼ね備えています。この日本一小さな牧場にも人気の牧場猫がいました。

それが「きなこ」です。

初めて会ったのは2019年の4月。日本一周の旅の前に訪問するとひょっこり姿を現します。初訪問から2年近く会えてなかったのに、しばらく来ないことを察したのか近くに来て撫でさせてくれました。

きなこには、それから何度か会うことができましたが、2020年10月に虹の橋を渡りました。愛くるしいその姿に癒しをいっぱい貰うことができました。どうか安らかに。

ありがとう飯田牧場!

飯田牧場さん、長い間、本当にありがとうございました。自分自身にとって最初のサイクリンググルメだったジェラートの味をずっと忘れません。

2024年1月末で閉店してしまうため、飯田牧場のジェラートが食べられるのもあと僅かです。機会があれば、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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