こんにちは。ノブです。
PBPがいよいよ迫ってきました。これを書いている翌日には、フランスに向けて出発しています。果たしてどんな世界が待っているのか今から楽しみです。
今回はPBPの走行計画です。初の海外ブルベで初の1200㎞を完走するために必要なことをあれこれ考えてみました。
ルート概要
パリブレストパリは4年に1度行われるブルベの最高峰。パリ郊外のランブイエをスタートし、約600km西にある港町ブレストを往復する約1200kmブルべです。
ルートは主要都市を外れた郊外を走ることが多く、車や信号は少なめ。また、大きな峠はないものの丘陵地帯を延々と進むため、獲得標高は約11,000mと高めになっています。
80時間、84時間、90時間の3つのカテゴリーがあり、自分は90時間部門にエントリーしました。G組17時30分からのスタートとなります。
開催期間中の天候について
8/17時点の天気予報では、PBP開催期間となる8/20(日)〜8/24(木)の前半は雨は降らず、最終日の木曜に降られる可能性がありそうです。また、予想していたよりも気温が高いですね。北海道の8~9月のようなカラッとした気候になるのかもしれません。



完走計画
スタート前はとにかく寝溜め
G組のスタートは17時半。夕方のスタートとなります。去年参加したBRM715宮城1000は21時スタートだったのですが、その時に感じたのは、夜ブルベはスタート前にどれだけ寝ておけるかでパフォーマンスが違ってくるということ。
ありがたいことにランブイエに宿泊しているので、当日はギリギリまで寝ていられます。唯一、ドロップバッグを預けるために12時頃に起きていないといけないのがツライですが、そのあとは15時過ぎまでは仮眠しておく予定です。
走り方について
PBPは信号が極端に少ない行程です。つまり、ずっと走り続けることになります。日本だと信号ストップによりグロスが削られることが多いのですが、裏を返せばその時間は休めている訳です。
走り続けることでグロスが稼げますが、休まないことで足への疲労が蓄積します。特にPBPはアップダウンが多くあるので、知らぬ間に足の負担が大きくなりそうです。
以前、緩やかな長い登りが続いたブルベで膝を痛めたことがあるため、PBPに参加できた高揚感のまま踏むような走り方しないよう心がけたいところです。道中は私設エイドに立ち寄ったり、景色の良いところで写真を取ったりと、適度に休みつつ進んで行きたいですね。
また、PBPは参加者が多いためトレインができやすいという話も聞いています。似たようなペースの場合には利用するのも手だと思っています。
寒さ対策について
ヨーロッパは偏西風の影響により緯度が高いわりに温暖、と学生時代に習ったような気がします。ですが、過去のPBP参加者は口をそろえてPBPは寒さとの闘いと言います。確かにブレストの気温は他の地域よりも低くく、ブレストの寒さを乗り切ることが重要なようです。
天気予報では思ったよりも寒くならなそうですが、ここは先人の知恵を拝借し、秋冬装備を基本とします。半袖サイクルジャージの下に長袖インナーウェアを組み合わせ、寒ければレインウェアを羽織るという、過去に宗谷岬に行ったときにも使った装備をベースにすることにしました。
PC、WPでの過ごし方を考える
PCは「Point de Controle」のことで、ブルべカードの確認があるため必ず立ち寄りが必要なチェックポイントです。また、WPは「Welcome Point」のことで、ブルベカードのチェックはないがPCと同等の機能を持ち、食事や休憩をすることができます。そのため、WPは必要に応じて(※シークレットPCの場合は必須)立ち寄るかを選択することになります。
PCやWPに到着して行うことは単純で、『到着(自転車を置く)→ブルべカードにチェック(※WPは不要)→各種用事(食事、ボトル補給、シャワー、仮眠)→出発』となります。
しかし、PBPは学校などの大きな施設がPCになっているため敷地は広く、参加者も多いわけですから、日本のコンビニPCのように簡潔に済ませることはできません。この滞在時間をどれだけ短縮できるかが完走の肝になりそうです。
進むごとに人が分散していくので後半になるにつれて混雑は減ると思いますが、それでも日本よりも時間が掛かるはずです。
とにかく最初のPCで慣れて迅速に動くことを心掛けますが、疲れてくるとそうもいかず、ダラダラしがちです。
そこで、PCやWPに到着時にスマホのタイマーを動かし、滞在時間が超過していることに気付けるような手段を取ろうと思っています。目安としてWPは30分、PC(補給のみ)は50分、PC(仮眠含む)は4時間で設定。あとは疲れていても実践してくれればよいのですが……それは未来の自分に託したいと思います。
また広い敷地で自転車を探すにはひと苦労。もし見失った場合は、普段から自衛のために取り付けているAppleのAirTagを使って自転車を探そうと思います。
仮眠はどうする?
仮眠は3回を計画し、うち2回はドロップバッグの受け取れるルデアック(1回目:435km、2回目:782km)を予定。最低3時間、貯金次第で4~5時間の仮眠を取ります。3回目はモルターニュ=オー=ペルシュ(1099km)を予定し、軽く横になって1時間程度で済ませるつもりです。
ただ、これはあくまで目安。どれくらい疲労するか次第ですし、時差ボケが残っている場合も考えられます。この計画通りに進むかは未知数です。無理に頑張らず、眠気が来たらその場で仮眠をするつもりです。
その時に気になるのが虫。蚊に刺されやすい体質なため、日本だと路上で寝ればボコボコにされてしまいます。PBP参加者曰く蚊がほとんどいないとのことですが、最近は蚊が定着した地域も増えているとの情報を得ました。一応、虫除けスプレーは持っていきたいと思います。
トイレ問題
個人的に一番不安に思っているのが、トイレ。日本と違いコンビニはありませんし、公衆トイレの数も日本に比べて少ないです。このアウェイの環境で、いつどこでお腹を壊すか分からないのは不安でした。
そこで、世界中のトイレが登録されている『Flushアプリ』をインストールすることにしました。実際に確認したところ、アプリにはかなり多くの公衆トイレが表示されています。ただ、すべてが網羅されている訳ではなく、アプリになくGoogleマップで探すと出ている公衆トイレもあるため、複数のアプリと組み合わせて使うのがよさそうでした。
また、ばるさんやmadekiさんが作成されたGoogleのマイマップには、パン屋など飲食店の他に公衆トイレもプロットして共有されているので、それも有難く活用させていただきます。
そして、これらの情報を使い、Garminのルートデータにも公衆トイレをプロットしておきました。こうしておけば、サイコン上で現在地からトイレまでの距離も表示されますし、通過する際にアラートが鳴るため、通り過ぎてしまうことも減るかと思います。

食事について
補給方法は、持参した補給食、PC内の食堂、PC内の売店、私設エイド、実店舗の5つが考えられます。
補給食
日本と違い24時間営業のコンビニのないフランスで、装備として充実させておきたいのが、自前の補給食です。短い距離であれば糖質だけで乗り切れるかもしれませんが、1200㎞ともなるとビタミン、ミネラル、タンパク質などバランスよく摂取する必要があります。
基本、今まで持っていたものばかりですが、PBP用に新規に調達したものには(新)と記載を入れてあります。
糖質:スポーツ羊羹、(新)ライスジュレ、(新)パラチノース
タンパク質:アミノバイタルアミノプロテイン
クエン酸:アミノバイタルクエン酸チャージ※タンパク質も兼ねる
塩分:森永inタブレット塩分プラス
食物繊維:茎わかめ※食物繊維3gで塩分も兼ねる
ビタミン:DHCマルチビタミンミネラル
ミネラル:DHCマルチビタミンミネラル、(新)伊藤園の健康ミネラル麦茶※スティック状
整腸作用:(新)ビヒダス生きて届くビフィズス菌BB536※乳酸菌サプリ
その他:カルノシンサプリ※鮪や渡り鳥が持つ栄養素で、持久力向上に効果あり?

PCで食べる
おそらくこれが利用頻度が一番多いのではないかと予想しています。PC内には食堂が設けられており、そこで食事をいただくことができます。
よく言われるのが、人が多く並び時間が掛かること。そして、味が薄いらしいことが欠点でしょうか。味が薄い問題は、キャンプで使っているハーブソルトにアジシオを混ぜたものを持参するので、それで改善させる予定です。

また、食堂以外にも売店があり、そこで簡易的な食事を取ることもできるようです。そちらの方が空いているそうなので、混雑次第では売店も有効に活用したいと思っています。
私設エイド
これもPBPの醍醐味でしょう。町の住民らが道端でエイドを開いていることが結構あるようです。
水やコーヒー、お菓子など簡易的なものですが、地元の方々と交流できる貴重な機会です。上手く活用していきたいと思ってます。
その際、お礼として1〜2ユーロのチップを渡すと良いらしいと聞きました。また、人によっては折り鶴?のような簡単なプレゼントを渡す人もいるそうなので、自分は和紙でできた栞を持参して走ろうと思います。

店舗で購入する
道中のお店を利用して補給する、日本のブルべと共通です。大きな町にはマクドナルドなどのチェーン店がありますが、郊外になるとパン屋やカフェ、バーが一般的なようです。
フランスはクレジットカードのタッチ決済が普及していて、郊外の小さなお店でもクレジットカードが使えるそうなので、実際に試してみたいと思っています。
ドロップバッグについて
これまで1000kmブルベでもドロップバッグを使っていませんでしたが、今回は2つ用意します。それぞれ往路と復路のルデアックで受け取る予定です。

入れておくのは以下。
・着替え
ジャージ上※復路のみ
ジャージ下
ベースレイヤー
長袖インナーウェア
レッグカバー※復路のみ
・モバイルバッテリー(往路×1、復路×2)
・電池(単四×4、CR2032×2)
・予備フロントライトor交換用バッテリー
・補給食
糖質:スポーツ羊羹×5、ライスジュレ×5、パラチノース×5
タンパク質:アミノバイタルアミノプロテイン×3
クエン酸:アミノバイタルクエン酸チャージ×3、
塩分:塩分タブレット×5
食物繊維:茎わかめ×3
ビタミン:サプリメント×適量
ミネラル:サプリメント×適量
その他:カルノシンサプリ
・薬
痛み止め:ロキソニン
胃薬:セルベール
足攣り:芍薬甘草湯
・その他
災害用ポンチョ※着替え用
お尻セレブ
ミニタオル
紙石鹸
走行計画表
これまでもブルベの前には走行計画を立てていましたが、どこにグルメスポットがあるか等、楽しむブルベ計画でした。ですが、今回は4年に1度のPBP。時間内完走が一番の目的です。そこで、詳細な設計のできるばるさん作成の計画表を使わせてもらい、以下のような計画を立てました。

これは理想の行程ではなく、時間が掛かった際にギリギリ完走できるラインでスケジュールを組んでいます。
信号が極端に少ないため区間グロスは想定通りに進めると見込んでいますが、問題はPC滞在時間。初参加の自分にはまったく読めません。日本だとPC滞在10~20分くらいで済ませられますが、日本の2〜3倍は掛かると予想しました。
仮眠は計画に立てた435km、782km地点のルデアック。そして、1099km地点のモルターニュ=オー=ペルシュの3回です。1度の走行距離が435km、347km、317kmと徐々に短くなっているため仮眠タイミングに丁度良いと判断しました。
渡仏前の準備
海外渡航経験が数えるほどしかない自分にとって、海外旅行に行くことすらハードルが高いのに、初の海外ブルベで1200kmです。走る以外の手間は可能な限り避けたいという思いがありました。
そこで、スワンインターナショナルが企画するツアーに申し込みました。航空券の手配、空港~ホテル間の移動、宿泊、ドロップバッグに至るまで、すべてがお任せ状態です。
フランス渡航の全工程
現地スタッフがサポートしてくれるため非常に安心感がありますが、観光するような余裕はほぼなく、PBP完走を目指すことのみに焦点が置かれた7泊8日のプランになっています。
- 8/18(金)8:25 JAL羽田 – 16:15パリ(専用バスでランブイエのホテルへ)
- 8/19(土)14:00 前日受付
- 8/20(日)12:00 ドロップバッグ受け渡し
- 8/20(日)16:30 車検
- 8/20(日)17:30 PBPスタート
- 8/24(木) ???? PBPゴール
- 8/24(木)17:00 ドロップバッグ引き取り
- 8/25(金)12:00 ランブイエのホテル出発(専用バスでシャルル・ド・ゴール空港へ)
- 8/25(金)19:40 JALパリ – 13:50羽田
飛行機輪行について
Qbicle Bike Porter Proを利用します。3辺合計203cmのため、多くの航空会社で追加料金の掛からないコンパクトな箱です。今回は別売りのキャスターも購入しました。


ただ、これに入れるのが一苦労で、ハンドルやサドルを外す必要があるのは理解していましたが、奥行きが足りず、箱とホイール、そしてホイールとフレームがどうしても干渉します。これに綺麗に入るロードバイクってあるのでしょうか……。

トランジェットするような旅路なら使わないと思いますが、搭乗するのはJALのパリ直行便です。行きについては雑に扱われることがないことを期待し、このまま使うことにしました。
ユーロはいくら持つ?
今回、約400ユーロを調達しました。クレジットカード決済が普及しているフランスでは現金を使う機会が少ないそうですが、何かあったときのために現金はある程度必要だろうと判断しました。実際にどれくらい使ったかは、PBPレポートの総括で話したいと思います。
各種装備について
1つの記事に書くには分量が多いため、別立てにします。
まとめ
色々と準備をしてみたものの、未経験の海外ブルベです。大まかなところは、経験者の意見を取り入れて組み立てています。これらの準備が効果を発揮し、無事完走できることを願うばかりです。
また、持って行ったものや自転車の装備の詳細については、荷物編として別立てする予定です。
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