こんにちは。ノブです。
今回はPANARACERから発売された新作のタイヤ『AGILEST DURO(クリンチャー)』をレビューしていきます。
PANARACER AGILEST DURO(25C クリンチャー)
出典:パナレーサー公式サイト
購入動機
ここ3年ほどコンチネンタルのGrand Prix 5000を愛用してきました。よく転がり、パンクも3年の間に1回スローパンクした程度。600kmブルベでも使用し、とても信頼しています。
ですが、パナレーサーの新しいタイヤを見た際、GP5000の対抗馬となり得るのではと思い、ブルベ用に耐パンク性が高く重量も似通っているDUROを選択。乗り比べてみることにしました。
重さについて
これまで履いていたGP5000はクリンチャータイヤでサイズは25Cだったので、DUROも同じくクリンチャーの700×25Cのものを選んでいます。
重さは218.9g。公称220gなので、ほぼ誤差なしですね。
取付について
取付ホイール:TOKEN C22AX DHUEZZ ZENITH
上記のホイールはこれまでGP5000を履かせていたものです。リム内幅は18mmで、アジリストが対応した新ETRTO規格(19mmが基準)に1mm足りないため、タイヤ幅は基準より0.5mm小さくなります。ですが、この程度であれば誤差の範囲と考え、そのまま使用することとしました。
クリンチャータイヤのためかそこまで固くなく、最後はタイヤレバーを使いましたが手間取ることもなくタイヤを嵌めることができました。
さらに一度空気を抜いて付け直したときはタイヤレバーを使わず嵌めることができたので、出先でパンクしたとしても、チューブ交換が容易であるように思えます。
タイヤの装着の容易さはGP5000よりも楽ですね。
空気圧別の使用感
使用感については、タイヤの空気圧別に行います。
使用者のスペック(当時)
身長:169㎝
体重:63㎏
ロードバイク重量:8.8kg
天候:晴れ(風速1~2m)
6~6.5Bar
漕ぎだしは悪くないものの、ペダルを回しているとねっとりと地面に張り付くような漕ぎ心地を感じます。そのため、スピードを上げるのが少し苦手な様子です。ですが振動吸収性が良くて安定して走れますし、グリップ力も強く感じられたのが、この空気圧でした。
7~7.5Bar
ペダルを回すときの地面に対するねっとり感が大きく減り、転がり具合が向上。加速させてもスピードが乗りやすくなりました。快適にサイクリングができるレベルです。
この空気圧はGP5000でも使用している空気圧なのですが、直線の伸びはGP5000に比べるといまいちですね。加速するためにより強く漕がないと進まないような感覚でした。
ただ、グリップ性については地面に吸いつくような感覚があり、後日GP5000に履き替えてフィーリングの違いを確認してみましたが、ブレーキングは優れているように思えます。
8~8.5Bar
7Bar帯と比較しても、そこまで大差はないのですが、若干ペダリングが快適になりました。スピードも乗りやすいです。ただ、加速してから巡航をキープする力は、感覚的な判断になりますがGP5000(7~7.5Bar)の方がまだまだ良い気がします。
また、この空気圧であれば流石に跳ねるかなと思いましたが、そんなこともありません。ほかの空気圧ほどではないですが、路面の微振動も吸収してくれます。グリップ性も十分に感じられます。
雨天時の使用感
実際にブルベで試そうと、BRM501日本橋1000(380km地点でDNF)でDUROを履きました。この時の空気圧は8.5Barで調整しています。
この日は開始から半日は雨が降るコンディションでした。路面が冠水するほどの時もあり、雨の中の登り、そして下りがあり、走行性能やグリップ性能を確かめるのにちょうどよかったです。
走行性能については、やはり可もなく不可もなし。雨の中だとタイヤが水を含んでさらに重くなったような鈍さがあり、抵抗感が少し大きかったように感じられます。
ただ、グリップ性能は素晴らしいです。もちろん速度の出し過ぎは厳禁ですが、雨の中の下りでもブレーキ中の制動力は安定していたように思えました。
転がり抵抗についての考察
自分のような体重や機材の重さでは、AGILEST DUROの空気圧は高めの方が走りやすいという結論に至りました。そして、加速やその後の伸びはいまいちでしたが、グリップ性能はとても良かったです。
なぜ、GP5000と比べてこのような印象を受けたのかですが、タイヤの転がり抵抗をまとめた『Bicycle Rolling Resistance』というサイトを見つけたので、そこからの情報を取り上げます。
まず、GP5000ですが、8.3Bar時に10Watts、6.9Barで10.7Wattsの抵抗が発生するとされていました。これは数値が低ければ低いほど転がり抵抗が低いということを示しています。
そして、パナレーサーですが、Race A Evo3、Race D Evo3、Race L Evo3の3品目が掲載されていました。
AGILESTはRace A EVO4と比べて転がり抵抗が12%減と製品説明されています。そして、Race A EVO4はRace A EVO3の転がり抵抗10%減であるという情報を踏まえると、上記の3品目のうちRace A Evo3の性能(8.3Bar:16.4Watts、6.9Bar:17.1Watts)を参考にすることができそうです。
これらを踏まえ、AGILESTの転がり抵抗を以下のように算出してみました。
8.3Bar:16.4W×0.9×0.88=12.9888W
6.9Bar:17.1W×0.9×0.88=13.5432W
あくまで理論値ではありますが、実際に体験した空気圧によるフィーリングの違いやGP5000より進みにくいという感覚が数値化されたというのはとても興味深いですね。これも推論ですが、耐パンク性を重視したDUROはさらに転がり抵抗が高いのではないかと考えています。
グリップ性能が高いと感じられたのも、この抵抗の影響が少なからずあるのかもしれません。安全に配慮した日本らしい設計のタイヤとも言えそうです。
まとめ
以上のことから、AGILEST DUROを使うなら、荒れた路面や雨の日など路面に対するグリップ性能を重視したいときがベストかなと思います。
また、耐パンク性も高いのでブルベ向きではありますが、漕いでも進みにくい傾向があるので、距離が長くなれば長くなるほど、進捗に影響が出て疲れが溜まりやすいのが欠点ですね。
もう一度1000kmブルベで使うかは悩みますが、仮に走るなら、耐パンク性能を捨てて通常のAGILESTの方を選択するかもしれません。
以上、Panaracer AGILEST DURO のレビューでした。
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