こんにちは。ノブです。
自転車を専用の袋に収納し公共交通機関を使って移動することを輪行といいますが、これができるとサイクリングの移動範囲が格段に広がりますよね。
身近なものに電車輪行が挙げられますが、飛行機が使えるようになると日本中、果ては世界中にサイクリングに行くことができるようになります。
今回は飛行機を用いた輪行で活躍する輪行袋、オーストリッチのOS-500のレビューをしていきます。
オーストリッチ輪行袋OS-500
- 原産国:日本
- 材質:NL420D/PUC
- 製品サイズ:135×21×82cm(車両収納時)、重量:2.0kg(付属品は含まず)
- 対応車両:ロード・MTB共通 ※車種、サイズにより、パーツを外さなければならない場合もあります。
- 送り状専用ポケット、内ポケット装備
- 表面には各国語で取扱い注意と記載されています
- 中仕切りあり
- カラー:ブラック
出典:Amazon
購入動機
日本一周をしていた頃、鹿児島からフェリーで沖縄上陸を予定していたのですが、梅雨の時期だったため断念。梅雨明けを狙うため、九州を北上して飛行機輪行する計画に変更した際に福岡市内で購入しました。
飛行機輪行自体が初めてのことだったので、とにかく日本一周中に自転車にダメージを与えたくないという思いから、なるべく自転車を保護できる輪行袋が欲しいと考えました。
ハードシェルのケースが一番安全なのは知っていましたが、沖縄を旅する間、そんな大きな荷物を置いておく場所は借りれません。
そこで白羽の矢を立てたのがOS-500。厚さ10mmのウレタンを使用し、飛行機輪行向きでありながら、3つに折り畳んでロッカーにも入れられるコンパクトさに惹かれたのが理由です。
外観レビュー
では外観レビューから。まずは3つ折りの状態です。横幅は45cmほど。送り状専用ポケットがあるので、こちらが表かな?
反対側には小物入れが付いています。

倒して横から。厚さはだいたい10cmくらいです。

3つ折りを展開してみました。

中を開いてみます。中心にフレームを収める大きな空間があり、その両脇にホイール入れと細長い荷物入れ用のスリットが用意されています。

付属品は肩紐と取扱説明書のみです。

OS-500を使った飛行機輪行の仕方
事前準備
まず、手荷物にするものと、輪行袋と一緒に預けるものを選別です。
モバイルバッテリーなど、リチウムイオン電池が入っているものは預けられないので、手荷物へ。工具など凶器になり得るものは輪行袋と一緒に預けてしまいます。
また、チェーンオイルなど可燃性液体もNG。必要なら旅先で調達しましょう。
ANAとJALのリンクを貼っておきますので、持ち込める物、NGな物は各航空会社のHPを参照してください。

①自転車を輪行袋に収納する
それでは、実際に輪行していきます。使用するロードバイクはKhodaaBloomのFarna700-105。フレームサイズは465mm(適応身長:165-175cm)です。
まずは前後のタイヤを外し、クイックリリースも外しておきます。タイヤの空気圧ですが、普段は7Barまで入れていたのを少し抜いておきました。
あと、人によってはリアディレイラーも外すようですが、元に戻せる自信がなかったので、今回は外さず輪行することにしました。そのため、出っ張らないようにロー側に変速しておきます。
その後、フレームを逆さにしたまま真ん中の一番大きなスリットに収納。ホイールも左右のスリットに収めていきます。
そのまま入れてみたところ飛び出てしまい、閉まりません。収納するにはシートポストを下げ、ペダルを外す必要がありました。
まずはペダルの取外しに取りかかります。この時、ペダルを外す想定をしていなかったので6mmの六角レンチは持ってきておらず、急遽100均で購入。
ですが、回らない……。どうやら固着してしまっているようで、結局、近くのサイクルショップを探して外してもらうことにしました。
サイクルショップでペダルを外し、ついでにシートポストも下げて、プチプチでリアディレイラー等の気になるところを養生しました。
ヘルメットやサドルバッグ、工具などもまとめて輪行袋に詰め、これでようやくファスナーが閉まりました。
11時半頃から始めて終わったのが、13時半。輪行にこんなに時間がかかったのは久しぶりです。ペダルが一番の鬼門でした。OS-500を初めて使う方は、ペダルが外せるか事前にチェックしておいた方がよいですね。
OS-500パッキングのちょっとしたコツ。ハンドルを曲げて収納するのですが、ベルクロなどで固定しておくと入れるのが楽です。
ちなみに国内線では無料で預けられるのは20kgまで。ロードバイクの場合、荷物を含めても超過することはほとんどないと思いますが、詳しくは各航空会社のHPを参照してください。こちらにもANAとJALのリンクを貼っておきます。

② OS-500を担いで空港へ移動
輪行準備ができたら、あとは空港まで移動です。
自転車を預けるために手荷物カウンターへと向かいます。今回搭乗するのはANA。
事前に予約などは必要はなく通常の手荷物と同様に預けることができますが、荷物の検査があったりと多少時間が掛かりますので、時間に余裕を持って行動した方がよいですね。
まずは重さを測定。ANAでは荷物は普通席20kg、プレミアム40kgまで無料で預かって貰えます。
その後、係員が輪行袋の中をチェックします。パンク修理キットの接着剤が可燃性があるとのことでNG。CO2ボンベはOKでした。
航空会社によっては手荷物カウンターでチェックせず、搬入前に行う場合もあるようです。もし、接着剤のような危険物が入っていると、搭乗前に呼び出しを受けて輪行袋を空けてチェックすることになり面倒(CO2ボンベの容量を確認するために呼び出されたことがあります)ですので、予めチェックして貰えるようお願いした方が無難だと思います。
従価料金制度の保険は必要?
手荷物や身の回り品について破損等の原因が航空会社にある場合、自転車はどう扱われるのでしょうか?
手荷物の取り扱いには十分注意いたしておりますが、楽器・スポーツ用品(サーフボード、ウィンドサーフィン用具、スキューバギア、自転車など)・カメラ・パソコン等の電子機器・精密機器・美術骨董品・陶磁器・ガラス製品・酒類などの壊れ易いものは、固有の欠陥、または性質から生じたものである場合には、万一損害が生じてもその責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/domestic/prepare/baggage/checked-in/bicycle.html
上記から分かるように、自転車は実際の価格が15万円を超える荷物に対して申告価額の賠償が可能となる従価料金制度があります。
搭乗手続き時や手荷物カウンターで行えますので、高級自転車をお持ちの方は制度の利用を検討してみてください。

③あとは通常の手順で搭乗口へ
搭乗案内が始まったら、機内へと移動。
座席に着くと、ちょうど荷物が機内へと運ばれていく場面に遭遇。その中にOS-500もありました。なるほど、こうやって機内に運ばれていくのか。確かに立てたままベルトコンベアに載せられていくようです。
しばし、空の旅を楽しみます。

④空港到着 自転車を組み立てOS-500をロッカーへ預ける
空港に到着したら、OS-500を受け取るために手荷物の受け取り所へ向かいましょう。輪行袋はベルトコンベアから流れてくるのではなく、係の方が直接運んできてくれます。
人によっては、さらに電車を使ったりして目的地に移動する方もいるかもしれませんが、仮に空港の外に出て自転車を組み立てたら、OS-500が荷物となります。
その際は空港のロッカーに預けてしまいましょう。キャリーバッグを入れられるような大型ロッカーが揃っていますので、OS-500もすんなり入れることができます。

ロッカーは預けられる期間が決まっており、預かり期間を超えた荷物は手荷物一時預かり所に移動されてしまいますので、その点だけ注意が必要です。
以上でOS-500を使った飛行機輪行は完了。あとは自由にサイクリングを楽しみ、再び空港に戻って飛行機輪行で帰るだけです。
OS-500を使って感じたメリット
飛行機輪行の場合、自転車自体を荷物として預けるため、その先でどう扱われるか分かりません。厚手のOS-500は衝撃にも強く安心感があります。
さらにハードシェルの輪行バッグに比べて軽量で持ち運びやすく、畳んでコンパクトできてロッカーにも収納できるため、旅先で輪行袋を保管する場所にも困りません。
OS-500を使って感じたデメリット
OS-500が厚手の輪行袋とはいえ、雑に扱われると中の自転車が破損する可能性は否定できません。海外への輪行では危険がより高まりますので、その場合はハードシェルの輪行バッグを利用した方が良いと思います。
また、OS-500はその大きさ故にサイクリング中の持ち運びが困難で、空港のロッカーなどに預ける必要が出てきます。そのため、行きは飛行機輪行、帰りは別の空港または新幹線輪行のようなフレキシブルな運用はできません。
旅の自由度が下がってしまうと感じる方は、電車で使う薄手の輪行袋を使うのも一案です。国内線であれば比較的丁寧に運んで貰えますので、検討してみてください。
まとめ
飛行機輪行において、電車で使う輪行袋は薄くて不安、でもハードシェルは使いにくいと感じている方なら、このOS-500のような厚手の輪行バッグがベストな選択ではないでしょうか。
気になる方は、ぜひ、このOS-500で飛行機輪行を試してみて、世界の広がる感覚を楽しんでみてください。
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