こんにちは。ノブです。
雨天ライド対策で欠かせないのがレインウェアです。使われる素材により耐水圧、透湿性は様々です。今回はGORE-TEX素材で防水透湿性に優れたモンベルのサイクルレインジャケットをレビューします。
モンベル サイクルレインジャケット
出典:モンベル公式サイト
購入動機
BRM715宮城1000用に購入。これまではドライテック素材のU.L.サイクルレインジャケットを使ってましたが、天気予報の雨の割合を見て、流石に耐えきれないだろうと出走の前日にモンベルでレインウェアを探しに行きました。
購入しようと思っていたのは防水透湿性に優れたGORE-TEXのレインウェア。ですが3種類あり、それぞれ特性が違います。圧倒的な性能を誇るのはシェイクドライですが、『他のものとの摩擦により生地の破損を招き、漏水する恐れがありますので、バックパック等を背負った状態で使用しないでください。』と注意書きされるくらい繊細です。
そこで今回は、素材と機能を比較し、バランスの優れたサイクルレインジャケットに新調することにしました。
製品ラインナップ
製品名 | 素材 | 耐水圧(mm以上) | 透湿性(g/m²) | 収納サイズ(cm) | 平均重量(g) | 価格(税込) |
①サイクル ドライシェル | ゴアテックス シェイクドライ | 50,000 | 98,000 | 8×8×13 | 171 | ¥30,250 |
②サイクルレインジャケット | ゴアテックス ファブリクス | 50,000 | 44,000 | 8×8×13 | 252 | ¥25,300 |
③U.Lサイクルレインジャケット(新) | ゴアテックス インフィニアム™ | 30,000 | 43,000 | 7×7×12 | 165 | ¥14,850 |
④U.Lサイクルレインジャケット(旧) | ドライテック®2レイヤー | 20,000 | 15,000 | 6×6×13 | 161 | ¥10,470 |
⑤ドライテックサイクルレイン ジャケット | ドライテック® | 20,000 | 8,000 | 8×8×13 | 220 | ¥9,130 |
機能・特徴表
素材以外の違いもまとめました。①~⑤は製品ラインナップの製品名と紐付けて確認してください。
特徴・機能 | 説明 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ |
トライアクスルフード | フードはドローコードで顔の周囲と奥行き、ベルクロでひさしの上下の3カ所でフィット感の調整が可能。 | ○ | ○ | ○ | ||
デュアルアクスルフード | フードはドローコードで顔の周囲と、ベルクロでヒサし上下の2箇所でフィット感の調節が可能。 | ○ | ○ | |||
ネックアジャスター | 襟口をドローコードで調節し。雨の侵入を防ぐ | ○ | ○ | ○ | ||
ジッパーがあごに当たらない仕様 | フロンジッパーが顎に当たるのを防ぐフラップ付き。 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
バイアスストレッチ | 自然な前傾姿勢をとれるように背面上部にバイアスストレッチを採用しています。 | ○ | ||||
立体裁断(ひじ) | 乗車時の姿勢に合わせて、ジャケットの肘に立体裁断を施しています。 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
浸水を防ぐ接着加工(袖・裾) | 袖口と裾の接合部分は接着することで縫い目を減らし、浸水を防ぎ、保水もしにくくしています。 | ○ | ○ | |||
アルパインカフ | ベルクロで袖口のフィット感を調節可能。寒気や雪の侵入を防ぎます。 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
スマートソーイング | 生地の縫い合わせの余分な部分を取り除くことで軽量化し、シームテープ処理を施して防水性を確保。縫い糸が露出しないので強度にも優れる独自の縫製技術です。 | ○ | ○ | ○ | ||
裾の調整機能 | 両裾のドローコードを引くだけで、裾のフィット感の調節が可能。 | ○ | ○ | |||
アクアテクトジッパー | 止水製が高く、ジッパー部分からの浸水を防ぎます。フラップが不要なので、英領かを実現し、開閉も容易です。 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ピットジップ | 大きく開き、衣服内の蒸れを素早く排出します。 | ○ | ||||
ベンチレーション | 脇部分のベンチレーションにより、衣服内にこもった熱を素早く排出します。 | ○ | ○ | |||
ジッパー付きポケット(左胸) | 身体側に水が浸入しないように設計されていますが、本製品のポケットは完全防水ではありません。ポケットの下部には水がたまるのを防ぐために、水抜き用の穴をあけています。 | ○ | ○ |
外観レビュー
筆者は身長は169cm、体重は63kg。体型は中肉中背。モンベル実店舗でSとMサイズを試着して、バタつきの少ないSサイズを購入しました。
その時は半袖で試着したのですが、購入後、冬用のサイクルジャケットを着込んでから羽織ってみてもギチギチになることもなく、腕の可動も問題無くぴったりでした。
背面。フードは取外し可能で、反射材が両肩と背中、そして腰辺りに細いラインが2つ、計5箇所ありました。
首回りは格子状の肌触りの良い素材で保護されているので、肌が荒れてしまうことはなさそうです。
フードは三方向から調節が可能。写真は矢印で示しますが、頂頭部から後頭部に掛けてあるベルクロ、後頭部と顔側のドローコードの3箇所です。
フードのツバは軸が入っていて雨よけになります。程良い硬さなので、折り畳んで収納する邪魔にもなりません。
ジッパーをすべて上げても顎に当たることはありません。こうした細かな配慮もGOODです。
胸ポケットはU.Lサイクルレインジャケット(旧)とこの商品のみの機能です。その内部は大きく、四方の縫い目のところまでスペースが広がっています。iPhone12Pro Maxも余裕で収まりました。なお、完全防水ではないらしいので、紙類を入れるときは気をつけなければなりません。
脇に熱を放出するためのピットジップが設けられています。これはサイクルレインジャケットのみの機能で、特徴の一つとなっています。
手首はベルクロで締めつけ具合を調節可能です。
スタッフバッグ収納時の比較。下の写真は右がサイクルレインジャケット、左がU.Lサイクルレインジャケット(旧)です。厚手なだけあってサイクルレインジャケットの方が一回り大きくなりますね。
重さは収納袋(12.2g)を含め244.5g。公称の平均重量は252g。仮に公称値が収納袋を含まないのであれば20g近く軽いことになります。計量器の故障ではなかったので、公称の重量は収納袋込みの重さなのかもしれません。
使ってみた感想
高い耐水性
BRM715宮城1000で初めて使用しました。どんな状況だったかはブルベレポートをご一読してもらいたいのですが、初日は災害レベルの悪天候でした。
土砂降りの中でしたが雨がウェア内に浸透してくることもありません。U.Lサイクルレインジャケット(旧)は過度に雨を浴びると肌に貼り付くようになり、不快感や肌寒さを実感するのですが、このウェアは豪雨の中でも不快感はさほどなく、肌寒さはとくに感じませんでした。
恐らくですが、このレベルの雨の中では、購入して3年が経過したU.Lサイクルレインジャケット(旧)では歯がたたなかったと思っています。このブルベが完走できた要因の一つがサイクルレインジャケットだったといっても過言ではないでしょうね。
ピットジップの放熱効果
また、2日目以降は雨脚は強くないものの、降ったり止んだりを繰り返す読めない天気でした。着たり脱いだりを繰り返すのも手間なので、雨が止んでいても着ていることが多かったのですが、そんな時に役立ったのが、脇にあるピットジップです。
このピットジップは二の腕から脇に掛けて縦に20cm近く全開できるので、風が入り込んでウェア内の熱を下げてくれます。その恩恵を受けられるのがダウンヒルで、三陸のアップダウンでは登った後にダウンヒルがあるので体の熱を下げるのに重宝しました。
胸ポケットの利便性
現行のレインウェアで唯一胸ポケットを採用しているのがこのサイクルレインジャケットです。これがとても重宝しました。
U.Lサイクルレインジャケット(旧)でも感じていた事ですが、レインウェアを着込むとサイクルウェアのバックポケットが使いにくくなります。
そこで、さっと取り出したい物、例えば補給食のスポーツ羊羹やマスクを入れておくとすぐに取り出せて便利でしたし、コンビニに入る際はスマホを入れておいて両手を自由を確保し、決済時に取り出して使うということもしていました。
まとめ
防水透湿性に優れたGORE-TEX素材で激しい雨の中でも活躍でき、ピットジップによって熱を放出できるので、天候の読めない状況でも重宝します。
ネックは荷物として少し嵩張る点でしょうか。予め降ると分かっていればサイクルレインジャケット、ダウンヒルの防寒着や短時間の雨といったピンポイントの用途ならU.Lサイクルレインジャケット(旧)といった具合に状況に合わせて使い分けをするのが良さそうです。
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