自転車でどこかに出かけるとき、皆さんはどうやって目的地まで行きますか?
行き当たりばったりのサイクリングも楽しいかもしれませんが、どれくらいの距離を走るか事前に把握しておいたほうが安心できますし、さらに自転車の走る速度で計算された到着時間が分かれば、プランを立てやすくはないでしょうか?
ナビと言えば自動車だった時代もありましたが、ランニングやサイクリングがブームになって久しい昨今では、ランナーやサイクリストのニーズに合ったルート検索サービスが充実しています。今回はサイクリング向けのルート検索サービスのうち、自動検索機能に焦点を当ててみたいと思います。
サイクリング向けルート検索サービス
今回は4つのサービスをピックアップしてみました。
NAVITIME
電車のルート検索で有名なNAVITIMEには自転車専用のルート検索機能が存在します。使い方は簡単で、出発地と目的地を入力するだけで、最短ルートや勾配の少ないルートなどを簡単に検索することができて便利です。
基本無料で利用できますが、経由地を複数設定するといった細かな設定は会員登録が必要な有料版のみとなっていますので、今回は無料版で比較したいと思います。
https://www.navitime.co.jp/bicycle/
ルートラボ – LatLongLab
Yahoo!が運営するルート検索システムで、地図上で出発地と目的地をポイントしてルートを自動検索してくれる「道ピタモード」のほかに、地図上を点で結んで自分でルート作成する「直線モード」があります。所要時間予測、標高差や獲得標高、平均斜度もチェックでき、自転車旅のルートを決める定番のサービスと言えます。以前は地図上に配置できるポイントが8000点までの制約があって数百キロのルートを作るのが手間だったのですが、現在は20000点まで追加できるようになって、格段に使い勝手が上がっています。
https://latlonglab.yahoo.co.jp/route/
Garmin Connect
スマートウォッチやサイクルコンピューターで有名なGarminには、サイクリングやランニングなどのアクティビティを記録できるサービス「Garmin Connect」があり、ルートを作成する機能が備わっています。こちらも地図上から出発地と目的地を選ぶだけのシンプルなルート検索が可能で、ルートラボの「道ピタモード」に該当する機能に「人気ルートから検索」と「道をたどる」、「直線モード」に該当する機能に「フリーハンド」があります。
https://connect.garmin.com/ja-JP/
Strava
Stravaはサイクリングやランニングなどのアクティビティを記録できるサービスで、ルート作成機能に「Myルート」があります。先に紹介したルートラボやGarminと同様に地図上から2点を選択するルート検索が可能です。
https://www.strava.com/?hl=ja-jp
同じ出発地と目的地を選んだらどうなる?
東京都大田区平和島から表ヤビツ峠への自走ルートを各サービスで検索して各サービスの違いを確かめてみたいと思います。「ルート自動作成機能」で出力される結果の差異を確認するのが目的のため、経由地はポイントせず、出発地と目的地のみで検索することにしました。果たして、どのような違いがでてくるのでしょうか?
NAVITIMEでルート検索してみた
検索インターフェース
NAVITIMEでは、電車の乗り換え検索と同じようにテキスト入力するインターフェースになっているので、出発地と目的地、状況に応じて経由地を入力していきます。今回は出発地と目的地のみで検索です。
検索結果
右に地図、左にルートの情報として距離と所要時間、そしておおよその勾配具合を示すグラフが表示されています。
NAVITIMEでは「距離が短い」「坂道が少ない」「坂道が多い」「大通り優先」「裏通り優先」の5つのルートから好みのものを選ぶようになっていて、表ヤビツ峠を登るプランを再現できたのは、「坂道が多い」「大通り優先」のみでした。それ以外は表ヤビツを迂回して走るルートとなっていました。
検索の補助機能
地図上から詳細検索することが可能で、所要時間をゆっくり(時速7km)、標準(時速13km)、速め(時速20km)から求めることができます。今回はロードバイクでの移動を想定しているので「速め」で検索しています。
ルートの精度は?
ヤビツ峠近辺の地図をアップにしてみました。
▼「坂道が多い」では名古木交差点を通らず、さらに県道70号線を一部外れているところがありますね。
▼「大通り優先」では途中のルートは県道70号線を進みますが、名古木交差点はどうしても通ってくれないようです。
ルートラボでルート検索してみた
続いてルートラボです。地図上で出発地(大田区平和島)と目的地(ヤビツ峠)をポイントして検索してみると、国道246号線を通るとても分かりやすいルートが表示されました。
サイドのインフォメーションエリアには距離はもちろんのこと、最大標高差、平均斜度、獲得標高と平均所要時間が表示され、分かりやすくまとめられています。
検索を補助する機能の有無について
NAVITIMEのような時速を選択して到着時間をシミュレートする機能はありませんでしたが、結果を下部にある距離と高度のグラフをクリックすると、地図に場所がマッピングされ、走行距離との位置関係を把握できたりと便利な機能が備わっています。
ルートの精度は?
ちゃんと名古木交差点を通り、途中で道を外れることなく、ヤビツ峠まで続いていました。
Garmin Connectでルート検索してみた
Garmin Connect ではトレーニングメニューからコースを作成することができます。2つあるルート検索機能うちの「人気ルート検索」では、コースタイプでロードサイクリングを選択したにも関わらず高速道路を通るルートが表示されたため、「道をたどる」のほうの結果のみ掲載しました。
検索を補助する機能の有無について
ルートラボ同様に、高度グラフをクリックすると地図とマップされます。
所要時間は時速を自由に入力してシミュレートすることができて便利でした。
ルートの精度は?
ヤビツ峠周辺のルートが県道70号線から大幅にずれていました。Garmin Connectでは出発地と目的地だけポイントすると最短距離を検索するようです。
Stravaでルート検索してみた
最後にStravaです。地図上で出発地(大田区平和島)と目的地(ヤビツ峠)をポイントして検索してみると、黒線のコントラストがはっきりとしたルートが表示されました。パッと見て一番わかりやすいですね。
また、画面下部に距離、獲得高度、推定移動時間が表示されています。推定移動時間は過去4週間の平均スピードから算出されているため、これまでの所要時間予測に比べ精度が高そうです。
検索を補助する機能の有無について
ルートラボ、Garmin Connectでも備わっている高度グラフと地図とのマッピングができました。他のサービスと違い地図上の地点の勾配まで分かるので、前もって心構えができそう。
ルートの精度は?
ヤビツ峠へは、国道246号線から名古木交差点を通るルートが選択され、県道70号線から外れることはありません。
ルートを検証していると、ヤビツ峠へ至る経路の途中「鶴見川サイクリングロード」を走っていることに気づきました。サイクリングロードを優先するような設定はなかったはずですので、これは驚きです。
どれが一番使いやすい?
情報として表示できたものをまとめてみました。
NAVITIME | ルートラボ – LatLongLab | Garmin Connect | Strava | |
---|---|---|---|---|
距離 | 71.1km | 74.1km | 65.87km | 76.94km |
所要時間 | 4時間21分 | 4時間56分 | 3時間17分 | 3時間43分 |
カロリー | 2,540kcal | – | – | – |
高度差 | – | 767m | – | – |
獲得標高 | – | 1,144m | 1,109m | 1,524m |
ルート精度 | 中 | 高 | 低 | 高 |
それぞれ特徴があり、良い悪いはあると思いますが、僕の個人的な意見で言えばStravaが一番使いやすく見やすいと感じました。
過去データからの所要時間の算出する機能もそうですが、サイクリングロードを通るルートが選ばれるサイクリスト目線のルート検索に好感が持てます。
それにしても、4つのルート検索サービスを比較検証して、ここまで内容に違いがあるとは思いませんでした。検証前はどれも似通ったアルゴリズムでルート検索するものと思っていたので、良い意味で驚きがありました。今後、他に便利そうなルート検索システムを見つけたら検証してみたいと思います。
コメント
コメント一覧 (2件)
お久しぶりですm(__)m
今回の記事も楽しく参考にさせてもらい拝見させていただきました✨
現在あまりロングライドなどができていない感じで、今度休みに長めの距離を走ることになり、自分もルート検索に悩んでいた時期なのでまたまたとても参考になりました!!
これを参考にさせてもらいならが自分なりのルートを作り少しだけ長い距離を楽しみたいです✨
お久しぶりです!
なんとなく気になって書いてみた記事でしたが、ご興味いただけたようで何よりです(*^^*)
年末は寒さも厳しくなってきますので、風邪をひかないよう気を付けつつ、ロングライド楽しんできてください。