【PBP2023実走レポート⑤】PC3:タンテニアック~PC4ルデアック

ブルベレポート

こんにちは。ノブです。

ブルベの最高峰、パリブレストパリに参加してきました。PBP2023の実走レポート⑤では、PC3:タンテニアックからPC4:ルデアックに到着までの84kmの様子をまとめています。

PC3(353km地点):タンテニアックを出発

午前11時過ぎにタンテニアックを出発。55分と少し長めの滞在時間でした。

ここで行ったことは、ブルベカードのチェック、レストランで食事、給水、トイレの4つで、ボトルネックは主にレストランでの食事でした。7~8分で会計を済ませられたので混み具合はそこまでではなかったのですが、料理を取りすぎたせいでお腹いっぱいになってしまい、ダラダラと時間を使ってしまいました。

次の目的地は約84km先のルデアックです。スタートから435km地点にあり、ドロップバッグの受け取れる場所で仮眠予定としているPCです。道中の獲得票港は930mとアップダウンが多くなりますが、タンテニアックから25km地点にWP2のケディヤックがあるので、休憩もしやすくなっています。

タンテニアックをスタートした直後、沿道にたくさんのキャンピングカーが停まっているのを見かけました。どうやら参加者の家族などが応援に駆けつけているようです。PCより補給も容易でしょうし、日中でもクーラーが効いていて仮眠も取りやすそうです。ホームの利点を最大限活かしていて、完走率を上げるのに一役買っている気がします。

タンテニアックの町を過ぎれば、そこからは再び牧歌的な田園風景が広がっていきます。PBPのルートには大きな山がないため長い登りがなくて楽ですが、景色が単調だなと少し思うようになってきました。基本的に小さな町、田園風景を繰り返すだけです。

ですが、町で見かける教会はどこも見事。規模の違いはあるものの、一つとして同じものはなく、とても興味深いです。私設エイドとともに、町を通るときの楽しみの一つになっていました。

メドレアックの町を通りかかると、ひときわ立派な教会が見えてきました。アニメ『ろんぐらいだぁす!』の最終回でPBPのことが触れられているのですが、その時に描かれていた教会にそっくりです。

そもそも、ブルベを始めたのも、PBPを知ったのも『ろんぐらいだぁす!』がきっかけ。自分にとってPBPは『ろんぐらいだぁす!』に登場する最も遠い聖地を巡礼するという目的もあったので、作中の景色が見られて感無量でした。

WP2(378km地点):ケディヤックに到着

メドレアックから程なくして、WP2のケディヤックに到着。町外れのスポーツ施設がウェルカムポイントとして開放されていました。

ここでの滞在は10分ほど。立ち寄り必須ではないのでスルーとしてもよかったのですが、水だけ補給していきます。最初、どこに水道があるのか分からなかったのでスタッフに聞いてみると、仮設トイレの隣にありました。

その後、D166という幹線道路に出ます。この大きな道路を走る距離は短いのですが、PBPでは珍しくトラックなど大型車が通る区間でした。

その後は、再び牧歌的な景色の中、細かなアップダウンがこれでもかとやってきます。どれも距離は短く斜度はそこまでキツくないのですが、日差しが強く、風もほとんどないので、ジワジワ焼かれている気分でした。

そして、その日差しを遮る貴重な日陰には、ランドヌールたちが横たわっている姿を度々見かけます。暑さにやられてダウンしているのか、それとも涼しくなるまで待つ作戦なのか。

なんだかとても気持ちよさそうだったので、自分も真似して横になろうとしましたが、青草の間に無数の蜘蛛の巣が張っているのに気付き、すぐに諦めました。

PC3(435km地点):ルデアックに到着

ルデアックには15時頃に到着。PCは『Middle School Lycée Saint-Joseph(セントジョセフ高校)』の敷地が使われています。

ここがPBPの要所で、ドロップバッグが利用できるポイントとなります。そのため、ここではいつものフローに加え、ドロップバッグの受け取り、シャワーを浴びて着替え、そして、仮眠。24時間起きているので、寝るタイミングとしてはここがベストなのですが、明らかに暑い。

さて、どうしたものかと考えますが、まずはコントロールに行ってブルべカードにスタンプを貰います。

その後、ドロップバッグの受け取り場所へ。受け取りは駐輪場から階段を下った先にあり、階段付近に日本国旗があってそれが目印になっていました。

ドロップバッグからは、この先のブレストに向けた防寒用の着替え、消費した補給食の補充、1日目に消費したフロントライトを交換します。

そして、iPhoneのライトニングケーブルを荷物から取り出し、モバイルバッテリーに接続。ですが、充電が開始されません。モバイルバッテリーの残量を確認しても満タンです。ケーブルは別のモバイルバッテリーと接続すると充電されます。どうやら、スタートから持っていたモバイルバッテリーの端子が壊れているようです。ずっと文鎮を運んでいたことに少しへこみました。

文鎮バッテリーはドロップバッグに仕舞い込み、新しいモバイルバッテリーに交換。ようやくiPhoneを充電することができるようになりました。

必要なものを出し終えたら、次はシャワー。ここもカード決済が可能で、支払うとタオル(シーツ?)を渡され、シャワー室へ。一応、更衣室のようなスペースがあり、その奥にシャワー室があります。シャワー室は仕切りがあるわけではなく、ひとつの広いスペースでした。蛇口をひねるとぬるま湯が出てきたので、意外と快適。シャンプーなのかボディーソープなのか分かりませんが、共用で1つ置いてあり、それを利用できました。

少し怖いのが、鍵のかかるロッカーはないので、パスポートなどの盗難紛失の可能性があることですね。気になる場合はジップロック等に入れて濡れないようにして持ち込んでも良いかと思います。

汗を流してさっぱりし、新しいウェアに着替えです。ただ、次の装備はブレストに向けた防寒性を高めた冬用インナー。今の秋冬用インナーでも昼間は暑かったので、着替えるのは気が引けました。

ですが、腕をむき出しにすると確実に日焼けをします。日焼けによるダメージは肌だけでなく体力も奪っていくので、それだけは絶対に避けたい。なぜ夏用のアームカバーを持ってこなかったのかと後悔しました。

でも、仮眠するならインナーは着なくてもよいだろうと外に出て、次に仮眠所……、いや、この暑さの中で寝られる気がしません。

ちょうど仮眠室から出てきた日本の方と出会い、「暑くて寝られたものではない」という感想を聞いてここでの仮眠は断念。軽めの食事をして50㎞先にあるWP3まで走ることにしました。

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ノブ

『ろんぐらいだぁす!』をきっかけに'17年春からロードバイクを始めたキャンプ、登山、馬、サブカル好きなサイクルツーリスト。
 
グルメと絶景を求め各地を巡るロングライド自転車旅行記にブルべ挑戦記、サイクリングの便利グッズやキャンプギアのインプレ、自転車関連の書籍や映像作品のレビューをブログ『ツール・ド・気ままに』で公開中。
 
'19年に日本一周15,594km(172日間)を完走。'20年からブルベに参加し、'20~'23年はSR獲得。ブルベの最高峰PBP完走が今の目標です!

'22年よりNPO法人引退馬協会のFP会員として活動。引退馬支援とともに乗馬も少しずつ始めています。
 
◇所有自転車
KhodaaBloom FARNA 700-105
Birdy Standard Disc
 
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