日本寺(地獄のぞき・羅漢像・大仏)ざつ旅聖地巡礼!【鋸山登山後編】

トレッキング

こんにちは。ノブです。

千葉県の房総半島にある鋸山をトレッキング。前編では登山道を進みながら石切り場跡を巡る、まるでRPGの冒険者になったかのような登山を楽しんできました。

後編は日本寺へと向かい、境内を散策します。

登山レポート後編

鋸山登山から日本寺へ

鋸山の登山道を歩いて辿り着いたのは、同じく鋸山にある日本寺の北口管理所です。まずは拝観料を払って境内に入ります。チケットがあれば出入りは何度でもできるようでした。

チケットを見てみると『乾坤山日本寺』と書かれています。元々、鋸山は乾坤山という名前でしたが、江戸時代から盛んに行われた採石の跡がノコギリ状に見えることから鋸山と呼ばれるようになっていったのだそうです。

ここからは寺院にある建造物を見て回ることになります。真っ先に目に入ってくるのは、百尺観音。高さは百尺(一尺が約0.3mなので、約30m)あり、古いものなのかと調べてみたら、昭和41年に作られた比較的新しい石像彫刻のようです。

百尺観音の周辺はこれまで見てきた石切り場と同様に岩壁がそそり立っており、境内へ続く道は切り通しになっています。これまで見た切り通しの中で一番の高さ。圧巻です。

地獄のぞき

切り通しを抜けると、舗装された参道に合流。お寺の施設は山の傾斜に沿って建てられていて、上から頂上エリア、羅漢エリア、中腹エリアと大仏広場、表参道エリアに別れています。

鋸山 日本寺 公式サイト | 境内案内

そのため、下ってしまうと戻ってくるのが大変です。そして現在地は日本寺境内の頂上付近。まずは頂上へ向かいたいと思います。

階段を上っていき、見えてきたのが『地獄のぞき』と呼ばれる突き出した岩です。ここが名所となっていて行列ができていました。

せっかく来たので、その行列に並んでみました。下を覗いてみると確かに高い。どうやら真下は、先ほど歩いてきた百尺観音のある辺りのようです。

でも、登山中に高いところを見慣れてしまったせいか、あまり怖さを感じません。上の写真のように端から見ていた方がその危うさが実感できていました。

頂上展望台は比較的広く、混んでいたのは地獄のぞきくらいです。少し奥の方へ行くと小山があって、そこから360度の大パノラマが広がっていました。個人的には下を覗くよりも遠くを見渡す方が気持ちが良くて好きです。

千五百羅漢像巡り

頂上エリアからは大仏広場へ向かうべく、案内に従い階段を下っていきます。次に訪れたのは羅漢エリアです。

現れたのは大小様々な仏様の石像。数を数えるのも億劫になりそうな石像が岩壁に並んでいました。

首のない仏様もいて少し不気味な雰囲気もありますが、これは明治時代にあった廃仏毀釈の名残なのだそうです。

大仏広場に向けて階段はまだまだ続いて行きます。帰りはロープウェイを使おうと思っていて、乗り場は山頂エリア近くにあります。登り返すことを考えると気持ちが前に進んでいきませんが、行くしかありません。

大仏広場

延々と階段を下って、開けたところまでやってきました。奥に大仏様が見えます。どうやら大仏広場に辿り着いたようです。

日本寺の大仏は岩壁を約3年掛けて彫刻して造られたもので、高さは約31m。岩壁に直に彫刻して造られたものを磨崖仏(まがいぶつ)と呼び、この日本寺の大仏は座禅大仏の中で日本一の高さがあるのだそうです。

近づいて眺めてみると、なぜか目が合う気がします。何か心を見透かされているような、厳かな雰囲気がありました。

中腹エリアから登り返し

大仏広場は中腹エリアにあり、そこからは薬師本殿、大黒堂などを拝観しながら階段を上っていきました。

それはまるで登山。最終的に何百段登ったのか分かりません。前半の鋸山で疲労した足に再び乳酸が溜まっていき、適当なところで息を整えつつ登っていきました。

余談ですが、日本寺には御影石の石階段が2639段あり、これは熊本の釈迦院御坂参道に次いで2番目の数なのだそうです。

ロープウェイで下山

階段と暑さに少々バテつつ参道を登り、ロープウェイ方面の出口へとやってきました。ここからロープウェイ乗り場までは5分ほど坂を登っていきます。

ロープウェイ乗り場に到着すると、鋸山山頂を示す案内板がありました。本当の山頂は登山道を進まないと辿り着けないので、便宜上の山頂表記なのでしょう。

ロープウェイ乗り場にやってきたのは、下山するのも目的の一つですが、もう一つはこちら。バニラのジェラートに竹炭を練り込んだ地獄アイスです。

暑い中を歩き通しだったので、冷たい物が欲しくてたまりませんでした。竹炭の苦味はなく、バニラは甘すぎずねっとり食感。とても美味しかったです。

ジェラートをいただいた後は、乗り場受付でチケットを購入。通常は15分間隔で運転しているロープウェイですが、休日で混み合っていたため増便されていて5~10分おきに運転されていました。

お昼は鰺づくし

麓に下山し、ロープウェイを使って降りた理由が実はもう一つあって、近くの『アジ★そば』というお蕎麦屋さんで黄金鰺の天ぷらの入ったお蕎麦を食べるつもりでした。ですが、この日はお休みでお店は閉まっていました……。

金谷港前のそば・うどん店がオープン
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仕方ないので、金谷港近くにあるお店を探そうと歩いて戻ります。船主という回転寿司屋さんが目に留まったので、覗いてみると空いている席がいくつもあるのが見えました。


これはラッキーと店内に入るとチケットを発券して待つように促されます。店員さんに案内されて奥の方へ進むと、順番待ちのお客さんが10組近くいました。席が空いているように見えたのは片付けが間に合っていなかっただけのようです。

時刻は13時半。待つのは性に合わないのですが、他のお店もきっと待つことになるのだろうと諦め、20分ほど待ってテーブルに着きます。

回転寿司屋に入るのは久しぶり。どこでも食べられる定番のネタも美味しそうですが、ここは地の物が食べたいと、地魚5点握り、鰺3点握りを注文。

さらに、金谷に来て食べたかった揚げたてのアジフライ。熱々で身はホクホク。脂も乗っていてとても美味しかったです。

お昼を食べ終わりましたが、フェリーの出航まで50分近く時間が空いています。そこで近くの日帰り温泉施設へ向かいました。登山前に横を通り過ぎた時に、時間があれば寄ろうとチェックしていました。


KANAYA STATIONは観光案内所とカフェ、そして宿泊施設を兼ねているようで、宿泊者向けの浴場を日中は一般向けに開放しています。浴場はこぢんまりとした作りで大人数では入れませんが、ちょうど誰もいなくて貸切状態でした。

泉質は記載がなかったので分かりませんが、さらっとしていて肌がキュッとなる温度もぬるめのお湯で、いつまでも入っていられそうな気持ちよさがありました。

温泉から上がってからも少し時間があったので、近くの『お土産市場 ハマーズ』へ。外の売店にソフトクリームがあるのを見かけ、ビワソフトクリームをいただきました。ミルク感はなく柔らかめのシャーベットのような食感で、ビワの香りが口の中に広がる爽やかな味です。湯上がりにぴったりでした。


その後、フェリーに乗り込み定刻通りに出港。帰りも行きと同様に京急久里浜駅を使い帰宅しました。

鋸山登山を終えて

まず、アクセスがしやすいというのが良いですね。登山口がJR浜金谷駅と金谷フェリーターミナルのすぐ近くです。2つの手段で最寄りまで行けるのでとても便利でした。

実際に登ってみると、登山道は整備され、なにより鋸山独自の景観が素晴らしい。石切り場として栄えた当時の姿が残り、それらが木々や苔に覆われた姿は正に遺跡。まるで冒険をしているようなわくわく感がありました。

ただし、低山と侮ってはいけないなと思います。同じ低山である高尾山に比べると難易度が高く、石階段の傾斜はキツく体力がいります。それに滑りやすいので歩行には十分な注意が必要でした。スニーカーではなく登山靴で訪れておいてよかったです。

あと、注意したいのはトイレ。今回通った登山ルートには公衆トイレがありません。関東ふれあいの道に1ヵ所あるようですが、それ以外だと麓の公園やJRの駅、それか日本寺のトイレを利用するしか手段がありません。登山の距離自体は短いのですが、石切り場跡など立ち寄る所が多いので思いのほか時間を使います。トイレは登山前に済ませておくのがベストですね。

また、拝観料が掛かりますが、日本寺は一緒に見ておいた方がよいスポットです。頂上の景色も綺麗ですし、大仏は迫力満点でした。

低山ですがそこそこ登りごたえがあり、産業遺産群、森、海が一度に見える山というのは珍しい気がします。アクセスも良いので、気になった方は是非登山を検討してみてください。

以上、鋸山登山レポートでした。

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ノブ

『ろんぐらいだぁす!』をきっかけに'17年春からロードバイクを始めたキャンプ、登山、馬、サブカル好きなサイクルツーリスト。
 
グルメと絶景を求め各地を巡るロングライド自転車旅行記にブルべ挑戦記、サイクリングの便利グッズやキャンプギアのインプレ、自転車関連の書籍や映像作品のレビューをブログ『ツール・ド・気ままに』で公開中。
 
'19年に日本一周15,594km(172日間)を完走。'20年からブルベに参加し、'20~'23年はSR獲得。ブルベの最高峰PBP完走が今の目標です!

'22年よりNPO法人引退馬協会のFP会員として活動。引退馬支援とともに乗馬も少しずつ始めています。
 
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