Yogiboヴェルサイユリゾートファームで牧場宿泊体験記!【北海道日高馬産地旅】

自転車旅

こんにちは。ノブです。

北海道日高地方をメインにした馬産地巡りの旅。今回は、タニノギムレットやローズキングダムら引退馬の暮らすYogiboヴェルサイユリゾートファームにやってきました。

ここはなんと、敷地内に泊まることのできるという珍しい牧場です。果たしてどんな牧場なのか、実際に宿泊してきました。

Yogiboヴェルサイユリゾートファームへ

Yogiboヴェルサイユリゾートファームは日高町にあり、国道235号線から内陸に約6kmほど入ったところにあります。国道の看板から1本道なので迷うことはありませんが、手前にヴェルサイユファーム(旧三城牧場)があり、そちらは生産牧場で一般の立ち入りは禁止。間違えないようにしましょう。

引退馬牧場 Yogiboヴェルサイユリゾートファーム | 北海道
引退名馬数、国内トップクラスの引退馬が余生を過ごす引退馬牧場ヴェルサイユリゾートファーム。引退馬支援、預託馬を随時募集しております。

どんな牧場か?

元宝塚トップ女優だった美雪花代さんが経営するヴェルサイユファームから引退馬を引き取る分場として開業し、牧場でありながら敷地内に一般客向けの宿泊棟を設けるなど、引退馬と共存するための新しい試みを行っています。

「全員から好かれなくていい! 引退馬ビジネスの風雲児」岩﨑崇文(Yogiboヴェルサイユリゾートファーム) 1/2
北海道沙流郡日高町に引退馬支援に新たな風を吹き込む一つの牧場がある。Yogiboヴェルサイユリゾートファーム。クラウドファンディングや企業とのタイアップなど、これまで行われてきた引退馬支援とは違った角度から展開されるこの牧場の活動は、2015年から同牧場の代表を務める岩﨑崇文さんの若い感性によって開拓されてきた。今回は...

一般見学も通年で受け付けています。見学可能時間や休場日などはYogiboヴェルサイユリゾートファームのWebサイトを確認するか、競走馬のふるさと案内所を確認しましょう。

Yogiboヴェルサイユリゾートファーム | 馬・牧場・施設検索 | 競走馬のふるさと案内所
引退した名馬の牧場見学データベース。馬、牧場、地図から検索可。見学マナー、見学Q&A、馬産地の知識が学べる。

牧場に泊まれる

Yogiboヴェルサイユリゾートファームは敷地内に宿泊できる珍しい牧場です。従業員寮だった部屋を改装したコンドミニアム、放牧地内にトレーラーハウスを置いたコテージの2種類があり、普段なら体験できない牧場の夜や朝を肌で感じることができます。

ヴェルサイユリゾートファーム宿泊
そこはリゾートファーム、馬達が過ごす牧場の中。窓の外にはあの名馬たちが、牧場の空気・音を感じられる、癒しの時間をお楽しみください。

支援会員制度

さらに、ヴェルサイユリゾートファームの会員になると、見学の際、大放牧地に限り、その中に入って馬たちと触れ合うこともできるようです。

引退馬支援 | ヴェルサイユリゾートファーム
引退馬たちの余生を守るサポートが出来る、ヴェルサイユリゾートクラブサポーター。あなたの支援が引退馬たちの明日を作ります。

ネーミングライツ

また、人をダメにするソファーで有名なYogiboとネーミングライツ契約を結んでおり、最近では引退馬のアドマイヤジャパンがYogiboのソファーに気持ちよさそうに寝そべる姿が反響を呼び、約1,000万円のCM契約を受注したことでも話題になりました。

引退馬グッズのネット通販

牧場で暮らす馬たちをモチーフにしたグッズを商品化し、ネット販売しています。ショップの売上の一部は引退馬の養生費に当てられ、グッズを買って引退馬支援が出来る仕組みです。最近ではタニノギムレットが壊した牧柵で作ったグッズが販売直後に売り切れるなど人気を博しています。

ヴェルサイユリゾートファームショップ powered by BASE
北海道日高町ヴェルサイユファーム。馬の美を少し分けてもらったグッズを販売しています。

また、ネーミングライツ契約を結んだYogiboのオンラインストアでは引退馬支援のクーポン券が発行されており、売上の5%が支援に充てられる仕組みもあります。

見学には受付が必須!

入り口に入るとすぐにお馬さんが見られますが、無断見学はマナー違反です。まずは奥にあるカフェを訪れて訪問記録を付けるルールになっています。

受付を終えると案内図が貰えます。馬やトイレの場所、立ち入り禁止区域が一目で分かるのですが、見学時の注意事項(例えばQRコードでリンクする等)もあった方がよさそうですね。きっと何も見ずに来る人もいそうですし。

独自の見学ルール

Yogiboヴェルサイユリゾートファーム独自の見学ルールがあり、注意事項がまとめられています。うかつに馬に触らないこと、厩舎内が撮影禁止など、知らなければうっかりやってしまいそうなことですので、こちらも必読です。

見学のお願い | Yogiboヴェルサイユリゾートファーム

こうした禁止事項が設けられるのは過去に問題が発生したからであり、また新たな問題が起これば見学自体が禁止になりかねません。『牧場見学の9箇条』とともに厳守するようにしましょう。

施設見学

まずは受付となっているカフェ。ハウス内にも席はありますが、大放牧地を眺められるテラス席が最高のロケーションです。

ここでは珈琲などのドリンク、ソフトクリームやパフェといった軽食・デザートに加え、ハンバーガーなどの食事もいただけます。

馬カフェ | Yogiboヴェルサイユリゾートファーム
牧場内にある窓から馬たちを眺めながら軽食が出来るカフェです。テラスもあり放牧地の中にいる様な感覚で馬たちとふれあうことが出来ます。

注文したのは平取牛100%パティを使用したハンバーガーセットです。肉感たっぷりでジューシーですし、付け合わせのポテト(インカのめざめ?)も甘味を活かしつつ良い塩梅でふっくら。

調理に時間が掛かるため先に出してもらった水出し珈琲は香りと程良い苦味が味わえ、牧場とは思えないクオリティでとても美味しかったです。

カフェのすぐそばには、引退馬たちが夜を過ごす厩舎があります。見学可能ですが、屋内での撮影は禁止になっていました。外から顔を出す馬を撮る分にはOKとのことでした。

天気が良い日は、敷地内にYogiboのソファーが置かれていました。ぽかぽか陽気の中、放牧地を眺めながら気持ちよくダメになることができますね。

こちらは大放牧地内にある宿泊棟。広大な放牧地を眺めながら一日を過ごすというのは、とても贅沢な気がします。

厩舎と駐車場の間に東屋があり、日差しを避けてゆっくりくつろぐこともできるようです。

また、体験乗馬をすることもできるようです。4番ゼッケンを背負っているのはビービーガルダン。かつて安藤勝己騎手を乗せていたスプリンターは、乗馬として活躍しています。

タニノギムレットデザインの馬運車、そしてゲートが設置されていました。

馬運車の近くには、功労馬たちのお墓があります。左からオーシャンブルー、ブロードアピール、サンカルロ。この日も沢山の献花が添えられていました。

牧場の仲間達

牧場犬が2頭、牧場猫が2匹暮らしています。今回、看板犬のバニーとコアラに会うことができました。

功労馬たち

タニノギムレットやローズキングダムをはじめとした多くの引退馬たちが暮らしています。また、養老牧場ではありますが、現役種牡馬のエタリオウに加え、親子の馬が仲睦まじく草を食む姿も見られます。

また、馬たちにはカフェで販売している人参を与えて(※親子はNG)触れ合うこともできます。

宿泊:従業員寮を改築したコンドミニアム

今回宿泊するのは、従業員寮だった部屋を改装したコンドミニアムです。チェックインはカフェスペースで行え、鍵の他に宿泊者サービスで人参が1つ貰えます。また、夕食サービスはありませんが朝食サービス(別途料金)はあったので、チェックインのタイミングで注文しました。

サイクルラックはなく、どこに停めようか迷っていたら、スタッフの方が1階の階段スペースを使って良いと案内してくれたので、お言葉に甘えさせていただきました。

階段スペースにはヴェルサイユリゾートファームで撮られた景色や引退馬の写真が飾られていました。

リビングルーム

玄関の土間で靴を脱いで室内へ。こちらがリビングルーム。最大4人宿泊できるわけですから、かなり広々とした空間です。

この部屋はローズキングダムのコンセプトルームになっていて、ローズキングダムに関わる展示もされていました。

和室

リビングルームの奥には和室があり、テーブルにローズキングダムの鞍に装着するゼッケンが置いてありました。これは2010年のジャパンカップ(GI)でしょうか。

Yogiboソファーの使い心地を初めて試しましたが、これはダメですね。一度埋もれると抜け出せないくらい気持ちいいです。

ベッドルーム

さらに部屋が一つあり、こちらはベッドルームになっていました。

フットスローもヴェルサイユリゾートファームのオリジナルデザイン。名馬たちが浮き上がるような黒基調のデザインは格好いいです。

ベッドルームからは放牧地が見渡せます。馬の好きな方なら堪らない眺めです。ただ、夕方には収牧して厩舎に帰ってしまいますので、早めにチェックインするか、翌日の早朝の放牧を待ちましょう。

水回り

トイレも最新式のウォシュレット。清潔感があってとても綺麗でした。

パウダールームもあり、アメニティはホテルなどと同等に充実しています。対面にはお風呂場があり、少し小さめのユニットバスがありました。ちなみに洗濯機はありません。

キッチン

キッチンにはIHコンロがあり、かなり広々とした作りです。キッチン家電は冷蔵庫と電子レンジ、そして電気ケトルが常設されています。

棚には食器類とフライパンなどの調理道具が一式揃っていました。

また、珈琲セットが常備され、名馬にちなんだ限定ブレンドが2種類お試しできます。ローズキングダムブレンドはスッキリとして飲みやすく、タニノギムレットブレンドは苦味を引き出したパンチのある味わいで、どちらも美味しかったです。

夕食:自炊

宿泊はできますがあくまで牧場。夕食の提供サービスはないので、別途持ち込む必要があります。最寄りのコンビニは、国道235号線沿いのセイコーマート門別緑町店で6.3km、スーパーなら9.8km先のマックスバリュ富川店となります。

今回はセイコーマートで出来合いの物を買いましたが、キッチンがしっかりしているので、食材を買い込んで料理を作るといった感じがよさそうでした。

一泊して早朝には厩舎見学が可能です。スタッフの方が仕事を始める中、厩舎で過ごす馬たちの姿を見ることができるのは宿泊者の特権ですね。

朝食:カフェにて

前日にお願いした朝食は、カフェスペースでいただけます。コーンポタージュとホットドックのセットで別途カフェラテも注文。ソーセージがプリップリでとても美味しく、朝からしっかり食べられて元気の出る朝食でした。

まとめ

引退馬のいる牧場というと終の住処。彼らはかつてのように賞金を稼ぐことはできず、どうしても支援金に頼らざるを得ないイメージがあると思いますが、ここでは引退馬の可能性を見出して収益に変える試みをいくつもしており、とても斬新です。

そして、ファンは泊まる・グッズを購入など手軽に支援ができ、また買おう、訪れようと思わせてくれます。

そして、なにより引退馬たちがのどかに暮らす姿に癒やされます。それをYogiboのソファーに座りながら眺めるのは心地よく、至福のひとときを味わえます。これは誇張ではなく本当に時間が溶けていくので要注意ですよ。

牧場とは思えないクオリティの高い宿でリピートしたいと思えました。そして、このような引退馬たちが無理なく自然体のまま活躍できる場が、これからもっと増えて欲しいと願っています。

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この記事を書いた人
ノブ

『ろんぐらいだぁす!』をきっかけに'17年春からロードバイクを始めたキャンプ、登山、馬、サブカル好きなサイクルツーリスト。
 
グルメと絶景を求め各地を巡るロングライド自転車旅行記にブルべ挑戦記、サイクリングの便利グッズやキャンプギアのインプレ、自転車関連の書籍や映像作品のレビューをブログ『ツール・ド・気ままに』で公開中。
 
'19年に日本一周15,594km(172日間)を完走。'20年からブルベに参加し、'20~'23年はSR獲得。ブルベの最高峰PBP完走が今の目標です!

'22年よりNPO法人引退馬協会のFP会員として活動。引退馬支援とともに乗馬も少しずつ始めています。
 
◇所有自転車
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