こんにちは。ノブです。
4回にわたって走行レポートを書いてきましたが、今回は総括です。BRM502日本橋1000ツールド奥の細道を振り返っていきます。
総括 -走り終えて-
天候について
初日が大雨だった2022年とは違い、今年のGWは連日の晴れ模様。気温も高く、2022年スタート時の東京の最高気温が16.8℃と寒かったのに対し、今年は21.2℃。天候、気温ともに恵まれました。
また初日、2日目は追い風基調、3日目は向かい風基調、最終日は追い風基調と風向きもよかったです。1000kmのような長距離ブルベでは珍しいくらい天候に恵まれ、非常に走りやすかった印象でした。
コースについて
総獲得標高は、7,960m。初日3,046m(344km)、2日目1,050m(192km)、3日目2,735m(318km)、4日目1,129m(167km)の内訳です。
初日が体感的に一番キツく感じました。日光、那須高原の2本立てのルート構成はやはり難易度が高いです。3日目もそこそこ登ってはいますが、緩やかな斜度ばかりだったので、ヒルクライムしている感覚は薄かったです。
この1000kmブルベは、序盤の登り2本をどう登るかが、攻略の鍵だったように思えます。自分の場合、初日をオーバーナイトしてまとめて片付けることにしましたが、攻略後は気持ちがだいぶ楽になり、余裕を持って走れた気がします。
仮眠計画について
どの日も疲れが見え始める頃合いで宿に入り、体を休めることができました。
初日は12時スタートのため、オーバーナイトして330km走行。その後の仮眠は1時間半と短めでしたが、スタート前に寝溜めしていたお陰もあり、短時間の仮眠でもスッキリ起きられ、2日目も夜まで眠気はありませんでした。
また、2日目のホテルの仮眠は5時間、3日目のホテルも4時間半と十分に睡眠が取れ、ともに眠くなることもなく走り切れています。
DNFした2022年に立案した走行計画をそのまま採用しましたが、自分には合っていたようです。
疲労対策
1000ブルベでは如何に疲れを溜めないよう走るかがキモです。一番の回復方法は眠ることですが、それ以外に以下のことに気を付けていました。
補給
通常の食事だけでは栄養が足りていないと思い、マルチビタミンミネラルのサプリメントを常備して、PCで休憩する際に食事と一緒に2〜3錠飲んでいます。
また、クエン酸も取るようにしていて、その日の走行前と夕方の2回飲むのがルーチンになっています。
プラシーボ効果かもしれませんが、この2つの摂取を心がけているときは、疲れにくいように感じています。
走行中のケア
体幹の弱い自分が長距離で一番ダメージを受けるのが腰で、腰に疲労が蓄積すると、痛みで走ることが非常に苦痛になってしまいます。
そのため、信号ストップでは腰を伸ばすストレッチをよくしています。腰を解そうとサドルの先端をグイグイ押し当てるので、過去にサドル先端の合成皮が禿げたこともありました。
また走行中も平坦なのにダンシングしたり、サドルから立ち上がって腰を逸らしたりをよくしています。
就寝前のケア
就寝前に、非ステロイド性の鎮痛消炎成分の入った塗り薬を、足の筋肉や関節、腰回りに塗るようにしています。
よく使うのはバンテリンコーワ液αで、これもプラシーボなのかもしれませんが、翌日の走り出しが気持ち楽になる気がします。
奥の細道、そして芭蕉の印象の変化
今回のブルベは、忌野清志郎さんが走ったツールド奥の細道が元になっています。そして、さらに松尾芭蕉が旅した奥の細道が原作です。
松尾芭蕉については学校で習ったきり、振り返ることは一度もありませんでした。なので、芭蕉が何かよく分からないが長い旅をしたくらいの感覚です。
でも、こうして現地に赴き、芭蕉の訪問理由や句の意味を知ることで、芭蕉のひととなりが少し見えたような気がしています。
ざっくり言ってしまえば、『ガチ俳句オタクの枕言葉の聖地巡礼』。あの時代の平均寿命を考えると決死の覚悟だったのかもしれませんが、けっこうウキウキで旅をしていたのかもしれません。
アニメや漫画の聖地巡礼のために自転車を走らせることの多いせいか、このブルベを終えた今は、奥の細道という旅について、思いのほか共感できている自分がいました。
帰路編
ブルベのゴールが秋田県にかほ市なため、完走後は自力で東京まで帰らなければなりません。とは言え、せっかく日本海側までやってきたのです。このまま帰ってはもったいない。
そんな思いでブルベの計画を立てていたので、帰りの新幹線は新潟駅からの席を予約しています。月曜日の17時25分発なので、GW最終日も余裕があります。
わざわざゴール地点から200kmも離れた新潟駅にしたのは、名物ご当地グルメ『バスセンターのカレー』が食べたかったからです。日本一周以来なので、約5年ぶりの再会です。
初日は60km走って鶴岡市で一泊。2日目は140km走って新潟駅まで向かっています。
観光
北海道が生んだ人気バラエティ番組『水曜どうでしょう』。原付東日本縦断ラリー第四夜で起きた『だるま屋ウィリー事件』の聖地が、新潟県村上市の国道345号線上にあります。
ファンがグッズを奉納したことで現場はコアな聖地となっていました。水曜どうでしょうは北海道のみで放送されていた頃から視聴していた好きな番組で、『だるま屋ウィリー事件』もリアタイしていました。1度訪れてみたいと思っていたので感無量です。
新潟市では、『新潟市マンガ・アニメ情報館』に立ち寄ってきました。新潟県は漫画家やアニメーターさんを多数輩出するクリエーター王国です。
漫画やアニメができるまでの流れが展示されていたり、ちょうどリコリス・リコイル展が開催されていたりと非常に充実した観光ができました。
ご当地グルメ
『道の駅 鳥海 ふらっと』では、山形県産米つや姫を使ったジェラートをいただきました。米の風味は流石に分からないだろうと食べてみると、お米がそのまま練り込まれていました。ミルクジェラートの中にもちもち食感がアクセントになってとても美味しかったです。
新潟県村上市の『笹川流れ塩工房』で販売されている塩ソフトクリームが絶品。日本一周以来に味わいましたが、旨味たっぷりの塩がソフトクリームの甘味を引き立ててくれます。
お昼に食べたのが、和風レストラン『美咲』の特選鮭親子丼です。村上の方言で鮭は「イヨボヤ」と呼ばれ、「魚の中の魚」という意味なのだとか。そんな塩引き鮭とイクラを使ったはらこ飯は、地元の名物料理の一つ。ほぐした焼鮭とイクラをいっしょに頬張ると最高に美味かった!
そして、新潟市の中心部にある万代バスターミナルの立ち食いコーナー『万代そば』が今回のメインディッシュです。
トンコツスープがベースに玉ねぎの甘さが溶け合ったコクのある味わいで、食べ終わる頃にはじんわりと汗をかく程良い辛さです。これがやみつきになる美味さで、ボリュームも満点。このバスセンターのカレーが食べたくて、200kmも走ってきました。
このバスセンターのカレーで〆て、GWの1200kmの旅は完結です。いっぱい走ってたくさん食べた最高のGWでした。
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