【PBP2023実走レポート①】ランブイエ~WP1:モルターニュ=オー=ペルシュ

ブルベレポート

こんにちは、ノブです。

PBP2023の参加レポートの第3弾。ようやく実走レポートです。スタートのランブイエから約116km先のWP1モルターニュ=オー=ペルシュまで走ります。

初のPBP、色々な気付きがありました。

起床:スタート前はとにかく寝溜め

朝は午前6時頃に起床。昨日もそうでしたが時差ボケもなく、体内時計は問題なく動作しているようです。

朝食を取ったらどこへ行くでもなく、モバイルバッテリーやライトの充電をしつつ、部屋でゴロゴロ。少し眠ったかもしれません。

11時頃に睡眠導入剤を服用しておき、12時前にドロップバッグを預けます。ホテルで預けられるので、移動が少なく済むのは助かりますね。

その後、再び仮眠。薬の効果があっても、短時間で起きて寝てを繰り返すので、あまり寝た気はしません。ですが、とにかく目を瞑って脳を休ませます。夜スタートのブルベでは、スタート前の寝溜めが何より重要だと思っています。

寝坊することなく15時まで睡眠を取り、睡眠前に作っておいたアルファ米のおにぎりを食べ、2.5km先のスタート地点へと向かいました。

~16:00 ウエルカムミール!

16時少し前にスタート会場に到着すると、そこは大賑わい。これまでブルべというと、人様に迷惑をかけないようひっそり行われる印象でしたが、ここでは町を上げての祭りのような雰囲気です。これがブルベの最高峰かと思わずにはいられません。

すでに車検もアルファベット順に始まっていました。自分がスタートするGグループの車検時間まで30分くらいしかありませんが、まずはウェルカムミールを食べておきます。

そう思って駐輪スペースに自転車を置いて、鍵を掛けようと思って気付きました。ワイヤーロックがありません。昨日の前日受付のときに駐輪する際に使ったので、その時に落としたのかもしれません(※完走後、ホテルにもなかったので、この可能性が高いです)

車検まで30分を切っているため、どこかで調達する時間もありません。なによりもカロリー摂取の方が今は重要です。ワイヤーロックについては諦め、食事会場に向かうことにしました。

ウェルカムミールは昨日も訪れた巨大な天幕にて提供されています。入り口でチケットをスタッフに見せ、あとはトレーを持って流れ作業。欲しい食べ物を選んでスタッフによそってもらいます。

ここで食べられるのは、これからPCの食堂で出されるものと同じもの(※実際はPC毎に少し違い、ランブイエが一番美味しかった)らしいのですが、想像していたよりも随分と美味しかったです。これなら問題ないだろうと前向きになれました。

ただ、ウェルカムミールにも人が多く並んでいたため、席に着くまでにかなり時間を使ってしまいました。Gグループの車検が5分前に迫っています。食事を胃に押し込んで、急いで車検の列に並びました。ゆっくり食べるなら、1時間前に到着した方が良さそうです。

~16:30 車検とブルベカードのチェック

車検は流れ作業で、道中に立っていたスタッフが点検していきます。大勢を捌かなければならないためか、ヘルメットや反射ベスト、ライト、リアライトといったPBP必須の装備をざっと見られるだけでした。

今回、ろんぐらいだぁすとーりーず!の反射ベストを着用していましたが、それも特に指摘なく通過。この瞬間、ろんぐらいだぁすとーりーず!反射ベストはPBPのお墨付きを貰った形です。

車検の次はブルべカードのチェックです。ランブイエ城近くに簡易的な施設が設けられ、3列に並んで順番になったらブルベカードを渡して判子をもらいます。これもスムーズに済ませることができました。

そのまま流れに任せてスタート地点へ。目の前に見えているピンク色のゲートはスタートゲートではなく、さらに奥にある緑のゲートです。音楽やDJのMCによって盛り上がりは最高潮。まるでロードレースでも始まるのかという興奮の中、17時半にスタートしました。

下の写真はG組とその後ろに続くH組以降の姿です。このブルベがどれだけの規模なのかがよく分かりますね。

17:34~ PBPスタート!

せっかくなので、出発の様子を動画で公開。360度動画なので、グリグリ動かせます。

まずは約119km先のWP1:モルターニュ=オー=ペルシュを目指します。獲得標高は約1,000m。小さなアップダウンがいくつもあることが、下の地図からも分かりますね。

スタート直後のランブイエ周辺は郊外の田舎道といった具合で平坦基調。道も荒れてなくて綺麗です。開始から、足に自信のある参加者はどんどん先へと進んでいきますが、それに釣られずにマイペースを維持することを心掛けました。ちなみに右側通行なので、一定ペースのときはキープライト。抜くときは左から抜いていきます。

そして、PBPならではの光景が。ところどころで応援が聞こえてくることです。スタート地点から離れた何もない道端ですら、車を停めてわざわざ応援に来てくれています。それがとても新鮮な気持ちにさせてくれ、前進する力になります。

町に入ると声援はひときわ大きくなります。印象的なのは、老若男女問わず応援に出てきてくれていること。大人たちは「Allez!Allez!」と手をたたいて応援してくれますが、子供たち沿道で手を道の方に出してハイタッチを要求してきます。それに応えるのも楽しみの一つです。

また、町に入る際に気を付けたいことが2つありました。

1つは、町の入口と出口に必ずといっていいほどある大きな凹凸。車の速度を落とさせる目的で設置されています。日本ではあまり見られないため、知らないまま突っ込むと体が浮き上がってバランスを崩すかもしれないので、注意したいポイントです。

そして、もう一つが道を意図的に狭める縁石。これも町中を車が暴走させないためと思われますが、道が急に狭くなるので、集団で走っているときは注意しなければなりません。町によっては駐車スペースになっていたりもしました。

また、走行中に別の意味で気になったのが、参加者がゴミを道端に投げ捨てていたこと。前を走っていた人がバナナの皮を道端に放り投げたときはギョッとしました。それにジェルなどの空き容器が捨てられているのもよく見かけます。

自分は走行中に出たゴミは、すべてジャージのバックポケットに入れておき、PCのゴミ箱に捨てていました。恐らく、他の日本人もそうしていたのではないでしょうか。個人の価値観なのか国民性の違いなのかは分かりませんが、正直見ていて気持ちの良いものではありませんね。

そうした不快な思いも、地元の方との交流で吹き飛んでいきます。PBP中は夕方になっても暑く、持っていたドリンクの減りも早かったです。そんな時に、私設エイドを見かけてボトルの水を補給させてもらいました。

2時間半ほどかけて約50㎞ほど走ってきたでしょうか。最初はある程度の塊になっていた参加者ですが、徐々にばらけてきました。とは言え、常に誰かが走っている状況に変わりはありません。Garminのナビはありますが、基本的に前を走っている人を目印に進んでいけばよいので、迷う気配もありません。

時刻は20時を過ぎていますがまだ明るく、とある町の私設エイドに立ち寄りました。ここのエイドは有料でバゲットなどを販売しているようです。

私設エイドは有料と無料のものがあって、初参加の自分にはどう違うのか分かりにくかったのですが、無料の場合は水やお菓子といった簡単なものが多く、有料のエイドはバゲットなど手の込んだ料理が置いてあります。有料なら近くに値段の書かれたパネルが置かれているので、そういった情報を確認しながら利用するようにしていました。

WP1までまだ距離があるので、ここでバゲットを購入。その場で食べきるには大きすぎるので、反射ベストのバックポケットに挿しておき、走りながら食べることにしました。

ロードバイク以外の自転車を目にする機会が多いのもPBPならでは。三輪のリカンベント・トライクがいました。

ハイタッチの要求にも答えていきます。連続でタッチが成功すると歓声が上がるんですよね。ちなみにタッチするときはスピードを落としてゆっくり進んでいます。

夜になっても声援は止まず、そして、私設エイドも夜遅くまで開設してくれていました。コンビニがなくても困らないくらいに町の方々が協力してくれます。本当に有り難かったです。

そんな私設エイドには、お礼として和紙でできた栞をプレゼントしていました。すべての人に渡していたわけではありませんが、特に女性には喜ばれました。

町~田園風景~町という流れを何度も繰り返し、WP1のモルターニュ=オー=ペルシュには8月20日(日) 22時40頃に到着。116kmを5時間ちょっとで走りきったようです。

WP内は夜になっても応援する観客がいるため、活気があります。ライブも行われていました。

ここはPCではないので立ち寄りは任意ですが、敷地内に正規ルートがあり、必ず入口と出口を通る必要があるため、そのまま休憩する参加者は多いようです。

立てた予定より30分も早く到着したことや、ちょうどお腹も空いていたので、ここの食堂を利用して使い方を覚えておきたいと思います。

そのためにモバイルバッテリーなど必要な荷物を取り出して……と思ったら、iPhoneのライトニングケーブルがありません。サドルバッグなど収納スペースを洗いざらい確認しても無い。どこかで落としたか、ホテルに忘れてきたか(※完走後、ホテルのベッドに置きっぱなしなのを確認)。

フランス滞在中は常に省電力モードにしているので、今も90%近く残っています。このままならドロップバッグのあるルデアックまで持たせることは可能に思えました。

気を取り直して食堂へ。大きな体育館のような施設が使われていて、その8割は椅子と机が並べられていて、奥の一角にビュッフェ形式で温かい料理が並べられていました。

とりあえず列に並んで様子を伺っていると、近くにいたスタッフさんが「英語は話せる?」と聞いてきたので、「少しだけ」と伝えます。

すると、ジェスチャーを交えながら懇切丁寧に、「あそこで注文して、あっちで会計」とシンプルな英語を使って分かりやすく対応してくれました。最初に立ち寄る場所であるためか、まるでRPGのチュートリアルをこなしている気分です。

お陰で食堂の使い方はすぐに覚えることができました。それに支払いはキャッシュカードのタッチ決済が使えます。クレジットカードはiPhoneに登録してあるのでわざわざ出さずにスマホで決済。これがとても便利でした。

WPは立ち寄り必須でないためか、人はそこまで並んでおらず、列に並んで5分くらいで会計まで済ませることができました。選んだ食事は魚料理とご飯とバナナ。白身魚のムニエルでしょうか。クリームソースは若干味付けが薄め。ご飯は日本米とは違い、細長くパラパラでした。

盛り付けはアレですが、言われていたほど不味くはないです。かと言って、おすすめできるほど美味くもないですが、全然食べられます。この施設で調理しているのか、それとも業務用レトルトを温め直しているのかは分かりませんが、ブルべのために学校給食規模の準備をしているだけで驚きです。

それにしても、食堂のフローはシンプル。英語のつたない自分でも困ることは一切なく、料理を購入して食べられるわけです。各PCでこれを繰り返せばカロリーが摂取できるのですから、まずはひとつ、完走のための道筋ができあがりました。

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この記事を書いた人
ノブ

『ろんぐらいだぁす!』をきっかけに'17年春からロードバイクを始めたキャンプ、登山、馬、サブカル好きなサイクルツーリスト。
 
グルメと絶景を求め各地を巡るロングライド自転車旅行記にブルべ挑戦記、サイクリングの便利グッズやキャンプギアのインプレ、自転車関連の書籍や映像作品のレビューをブログ『ツール・ド・気ままに』で公開中。
 
'19年に日本一周15,594km(172日間)を完走。'20年からブルベに参加し、'20~'23年はSR獲得。ブルベの最高峰PBP完走が今の目標です!

'22年よりNPO法人引退馬協会のFP会員として活動。引退馬支援とともに乗馬も少しずつ始めています。
 
◇所有自転車
KhodaaBloom FARNA 700-105
Birdy Standard Disc
 
ヘッダー画像のキャラクターは『びわっこ自転車旅行記』の大塚志郎先生に描いていただきました。
 
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