【レビュー】Selle SMP HELL SとHELLの違いをロングライドして比較してみた!

当ページのリンクには広告が含まれています。
Thumbnail Impression Selle Smp Hell S (1)

こんにちは。ノブです。

イタリアのサドルメーカーSelle SMP から販売されているHELL Sについて、無印のHELLとの違いについて使用感ともに比較しました。

目次

Selle SMP HELL S

スペック

特徴
座骨幅が狭め~標準のライダー向け
表皮の接着には接着剤や固定具を使わずに装着できるSMP VACUUM TECHを採用

サイズ 274 x 138mm
表皮素材 SVT Velvet Touch
ボディ素材 カーボン強化ナイロン12
パッド素材 ポリウレタン
レール素材 AISI304ステンレス鋼
重量 280g

出典ミズタニ自転車株式会社Webサイト

購入動機

Selle SMP HELLからの交換です。これまでSelle SMP HELLを愛用してきましたが、長年使い続けてきたことで、前方のパッドが割れて剥がれてしまいました。

壊れたのが2023年初頭で、ここまでHELLで1000kmブルベも完走していたことから、別メーカーよりSelle SMPからサドルを選ぶのが無難な気がします。

SMPサドルには幅広いラインナップがあり、運用実績や価格面からSMP HELLが自分自身にとってベスト。ただ、全く同じサドルでは面白くないと思い、同じHELLシリーズのHELL Sが気になりました。

無印とHELL Sには以下のようなサイズの違いはありますが、物は試し。価格もリーズナブルなので、失敗しても許容範囲内と考えての購入です。

HELL:280mm x 144mm

HELL S:274mm x 138mm

HELL SがHELLより長さが6mm、幅が6mm短く、15g軽量。材質は同一です。

外観レビュー

それでは外観から見ていきましょう。SMPのサドルの表面加工には天然と人工皮があり、安価なHELLシリーズはSVT Velvet Touchという人工皮です。高級感はありませんが、汚れにくくメンテナンスが容易な点が気に入っています。

SMPの特徴であるこの独特な形状の窪み。人によって合う合わないが明確に分かれますが、合ってしまえばサイクリングが楽しくなること間違いなしです。

背面はステンレス製のレールです。それに中心部にある縦長の空洞は会陰部および前立腺部の圧迫解消の目的で空けられています。

後方には、SMPのロゴが付いています。エントリー向けのHELLシリーズはお尻のパッドもそこそこ厚めです。

測定した重さは279g。公称が280gなので、その通りの重さでした。

HELL S(左)とHELL(右)の見た目の比較。HELLの先端が欠けていて大きさの比較はしにくいですが、HELL Sの方が少しだけ小さいです。よりスタイリッシュに見えます。

使ってみた感想

ここでは実際の使ってみて、HELLとの違いをメインにまとめていきます。どちらのサドルも同じロードバイク(KhodaaBloom Farna700)に取り付けているので、純粋にサドルのみの使用感の差異になります。

HELL Sのロングライドでの実績

これまで200km×2本,300km×2本、400km×1本、600km×1本、1,000km以上では、2023BRM503あおば1000km酷およびPBP2023で使用しています。うちDNFは600kmの1本のみ。長距離を走ってもお尻に痛みが出ることなく走り続けられており、完走後もお尻へのダメージは皆無でした。

クッションは硬め

HELLとHELL Sで使用される素材はまったく一緒です。ですが、触ってみるとお尻が触れる部分のクッション性に違いを感じました。HELLは指で押すと弾力があって柔らかく沈むのに対して、HELL Sも弾力はあるのですが、張りを感じます

そのため、初めてHELL Sに座ったとき、HELLに比べて若干硬いという印象を受けました。最初は新品だからだと思っていましたが、購入して10か月以上経過しても張りがありますので、どうやら新品という理由ではないようです。

購入年が4年も違うので、商品自体に改善が入った可能性は否定できませんが、クッション性がまず違いました。

窪みが浅く、前後の位置変更がし易い

これは独特な言い回しになりますが、座ったときの深さが違いました。HELLは窪みに深くハマるイメージなのですが、HELL Sはより浅く座るイメージです。

実際に窪みの長さ、深さを測ってみたところ、HELL(写真左)の窪みの長さは19cm、最大深度が0.9cm。HELL S(写真右)の窪みの長さが18cm、最大深度は0.8cmでした。

やはり全体的にHELL Sの方が窪みが浅く作られ、これにクッション性の違いが伴って、体感できるほど浅く感じたのかもしれません。

この浅さが効果を発揮するのが登りで、HELLは前側に位置取りすると、登りがキツくなるにつれ、ズルズルと窪みにお尻が戻ってしまいます。ですが、HELL Sは前後の移動が容易で、登りで前側に位置取ってもズレにくいと感じました。

幅6mmの差はほぼ感じなかった

左右の坐骨の幅+20mmが、適切なサドル幅とされています。6mmも幅が狭くなるのでサドルが合わないことを一番懸念していましたが、特に影響を感じませんでした。これはHELLシリーズのクッションが丸みを帯びていることで、フラットなサドルに比べ坐骨に当たる面積が少ないこと理由かもしれません。

HELLでは1000kmブルべを3本、HELL Sで1000kmブルべ1本とPBP2023を完走できており、どちらのサドルでも坐骨に痛みを感じることはありませんでした。

長さ6mm+形状の違いは登りで実感

HELL Sを購入した当初、サドルの位置はサドルレールの目盛り元に、HELLとおおよそ同じ値に合わせていました。平坦メインの200kmブルべに参加して走行感覚を確認し、6mm差は大したことないと感じていたのですが、山岳ブルべではまったく違う印象となりました。

2023BRM422東京600富嶽さくらSRでは、登りが主体で足に負担がかかり、コースの中盤から足がまったく回復せず、劇的に登れなくなりました。

この疲労の原因は6mmの差の他に、窪みの形状の違いにあると考えています。HELL SはHELLよりも窪みの最深部が後ろ寄りにありました。こうした理由によりHELLに比べサドルの後ろ側に座ることでポジションが変わり、太股の外側ばかり使ってしまい非常に辛かったのだと思います。この600kmブルベは疲労が重なったことでDNFしました。

その失敗を踏まえ、次の2023BRM503あおば1000km酷では、サドルを1cm前に出し、0.7cm高さを上げました。

これが大当たりで、太股全体を使えるようになって負荷が劇的に改善され、無事に完走。そのポジションのままPBP2023も完走できています。

SMPサドルでポジションを出す際、窪みの形状の違いからお尻がどこに収まるのかを考慮し、その差をポジションに反映しておくことが大切なようです。

まとめ

HELLとHELL Sはサイズだけでなく窪みの形状も違い、その効果は登りで強く感じることとなりました。また、お尻を置く位置がHELLに比べて変更しやすく、キープしやすいです。とはいえ、フラットなサドルに比べると後傾になりやすいので、ヒルクライムをメインにしたいなら、別のサドルの方がよいでしょうね。

HELL Sはロングライド志向でお尻の痛み対策が最優先、それでいて平坦も峠もオールラウンドに攻略したい方にはおすすめかと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次