こんにちは。ノブです。
今回はPBPに向かう際の飛行機輪行で使用したQBICLEの輪行ボックス『BIKE PORTER PRO』の使用感についてまとめています。
QBICLE BIKE PORTER PROの概要
特徴
- 軽量でコンパクト、薄くなるので収納に困らない。
- 展開サイズの合計が203㎝以内なので、荷物を詰め込まなければ超過料金は取られない。
- 別売りの肩掛けカバー、キャスターを取付が可能。
- 特に工具は要らず、手作業で組み立てを行うことができる。
購入動機
PBP2023に参加することになり、自転車をフランスに持ち込むにあたって一番の課題が、輸送中の破損でした。海外輪行では自転車が雑に扱われることから破損する割合が高く、持ち込む際に破損してしまったらPBPが走れなくなります。
現在の手持ちは一般的な輪行袋とOSTRICHのOS-500の2種類。OS-500は分厚いクッションのある輪行ケースで飛行機輪行向きです。しかし、投げられたり、横倒しになったときの荷重を支えることは難しいと考えました。
そこで、より頑丈な輪行ケースを求め、QBICLEのBIKE PORTERを見つけました。サイズの違いでスタンダードとプロがあり、よりコンパクトなPROは、多くの航空会社で無料で載せられるサイズ内であることから、今回はPROを選ぶことにしました。
組立・梱包をやってみる
では、早速。組立をしていきます。内容物はプラスチック段ボールのケースと蓋、そして2本のベルクロです。
手順書が同梱されています。こちらはシールになっているので、蓋の裏側に貼っておき、いつでも見られるようにできます。
また、安全に輸送するための注意点もまとめられていました。特にリアディレイラーとハンガーを保護することが肝のようです。
組立・梱包の手順は、販売代理店が公開している動画を参考にするのが分かりやすかったです。
まずは組立。これはとても簡単で、すべて手だけで展開でき、10分程度で組立ができます。ただ、先端は少し鋭くなっているので、手を切らないよう注意が必要でした。
続いて、本番の梱包。組立以上に動画を参考にするのが分かりやすいです。
まず、梱包の大前提として、サドル、ペダル、ハンドルを外す必要があります。特にペダルは久しぶりに外したのですが、固着して大変でした……。
サドルはシートポストごと抜くのですが、テープなどで戻したときの位置を把握できるようにしておきます。
ギアはアウタートップにし、チェーンがチェーンリングから外れないよう、紐などで固定しておきます。さらにリアディレイラーを外して、使い古しの靴下を被せておきました。また、ハンガーを保護するために縦型輪行で使うエンド金具を取り付けておきます。
あとは、緩衝材でフレームを保護。
続いて、ホイール。スポークの破損が怖いので、間に物が挟まらないよう緩衝材で保護し、SNSで知った100均のハンディラップでぐるぐる巻きにしまいsた。このハンディラップがとても便利でした。
ハンドルを横にしていい感じの角度を探しつつ収納。その後、ホイールを左右に入れていきます。片方に寄せたりいろいろ試行錯誤しましたが、結局、左右に入れるのが一番のようです。
あとは、余った隙間にウェアなどを詰めていきます。隙間が埋まることで、中のぐらつきが抑えられるようです。
あとは蓋を閉め、ベルクロを強く引いて固定して完了です。ベルクロはとても強力で、ちょっとやそっとじゃ剥がれません。
かかる時間
初挑戦では試行錯誤しつつ、1時間くらいかかりました。2回目以降は30~40分あれば梱包が可能でした。
ボトルネックはフレームとホイール、ホイールと箱の側面が干渉しないベストポジションを探すための時間で、結局、どうにもならなくて最後は諦めています。
良い点
収納がコンパクト
まずはとてもコンパクトなこと。小さく折りたため、しかも軽くて薄い。持ち運びも楽です。頻繁に使うものでもないので、隙間に収納できて、普段の生活の邪魔になりません。
自転車以外の小物も積める
自転車を収納しても、隙間がかなりできます。そこに衣類などを入れておくことができ、自転車も固定されて中で動かなくなるので、一石二鳥です。
100均のナップサックに入れた衣類3袋、補給食2袋、SPDシューズ、ヘルメット、ボトル2本、サドルバッグなどのバイクパッキング装備一式、ツールボトル、フロアポンプを入れて、約20㎏ほどになりました。
キャスター移動が便利!
箱自体は軽いですが、自転車に加え荷物を隙間に入れていくと、なんだかんだ重くなります。その重さを持ち運ぶのは大変だったので、追加でキャスターを購入しました。
これが非常に便利でした。特に工具は必要なく、強力なベルクロを巻くだけだったので取付も容易です。さらに簡単に取り外せ、嵩張らないので、空港で預ける前に外して箱の中に入れておくなんてこともできます。
ただ、箱と固定はされないので、段差や走行中の振動に弱く、ズレて脱輪なんてことも時々ありました。
手荷物をその上に置いてもバランスが取れ、そのまま押すこともできます。最寄り駅まで向かうのに重宝しました。
気になる点
側面の強度
四隅、蓋、底の部分はそこそこ強度がありますが、側面は弱く、中央部分が簡単にたわみます。そのため、横倒しになって上に物が置かれると、その重さは自転車に掛かることになります。立てて輸送される前提であれば問題ないですが、そんな保証はどこにもないので、強度の面でかなり不安を感じました。
こうした輪行箱を使う目的は、横倒しに積載されたり倒されたときに衝撃を吸収し、中の自転車を守ることにあると思われますが、残念ながらBike Porter Proにそこまでの強度があるとは思えません。側面の負荷に対しては、クッションがない分、飛行機輪行によく使われるオーストリッチのOS-500よりも弱いかもしれません。
幅が足りない
ロードバイク、ホイール2本を入れようとすると、何度試行錯誤しても、奥行が足りずに側面が少し膨らんでしまいます。
先ほども書きましたが、側面は強度不足です。緩衝材としての役割は成していませんので、横倒しで物が置かれたり、勢いよく倒されたり、投げられたりした場合、ホイールや自転車に傷がつく可能性は捨てきれません。
この箱を利用したPBPでは、JAL直行便の往復チケットを取りました。日本の企業ですし、雑に扱われることはないだろうと想定して使用に踏み切っています。
実際に飛行機輪行で利用してみたところ、往復で使った結果、ホイールのハブ軸の跡が箱にくっきりと残っていました。これは横倒しで荷重が掛かったわけではなく、単に奥行きが足りず、ぎゅうぎゅう詰めだったからで、ホイールも自転車も無事でした。緩衝材を間に挟みたいところですが、側面がさらに膨張すれば、超過料金の対象になったりしないかも不安です。
まとめ
軽量でコンパクトな輪行箱です。ただ、あまりにもコンパクトなため、収納可能な自転車を選びます。そして、側面は強度がないので、横倒しになった際の荷重に弱いです。
仮にトランジットするような航路だったなら、自転車が破損する可能性の高さから、使用しなかったかもしれません。
飛行機輪行用に購入しましたが、残ったハブ軸の跡が気になりますし、今後、使うことはないでしょうね。国内なら薄手の輪行袋でも十分ですし、OS-500も持っています。次に海外ブルベに参加する時があれば別の箱を使いたいと思います。
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